鹿の角[語句情報] » 鹿の角

「鹿の角〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鹿の角の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女の決闘」より 著者:太宰治
たと吸いついて動かなんだ。その飾り窓には、野鴨《のがも》の剥製《はくせい》やら、鹿の角やら、いたちの毛皮などあり、私は遠くから見ていたのであるが、はじめは何の店....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
いのです。部屋一杯に和漢の書物が所構わず積んであって、その上に骨がある。馬の骨、鹿の角、人の骨、おシャリコウベ、それから蛇のぬけがら、いずれも不気味な品が雑然と....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ものは穀物蔬菜何も出来ず、どうしても三里内地に入らねば麦も何も出来ないのである。鹿の角を沢山|背負うて来る男に会うた。茶路川の水|涸れた川床が左に見えて来た。 ....
傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
そろ近所で噂が高くなった。 「医者坊主の娘にしておくのは勿体《もったい》ないな。鹿の角細工店でも出して看板娘にすると、よう儲かるで」 と、諸国遊覧客の懐を相手....
」より 著者:ディモフオシップ
で珈琲を飲んで、なんにするという思案もなく、赤い薔薇のブケエを買って、その外にも鹿の角を二組、コブレンツの名所絵のある画葉書を百枚買った。そのあとでエルトハイム....
丹下左膳」より 著者:林不忘
たものかと考えている。 何しろ、チョビ安のそば、左膳の左手のすぐ届くところに、鹿の角の形をした、太短い松の枯れ枝が二本向い合せに土にさしてあって、即妙《そくみ....
鹿狩り」より 著者:国木田独歩
の方に近づく者がある、僕はふとその方を向くと、すぐそこの小藪の上に枝のある大きな鹿の角が現われていた。鹿だ! 僕はどうしようかと思った。叔父さんを起こそうとした....
阿芳の怨霊」より 著者:田中貢太郎
室の中で阿芳の姿ははっきり見えた。 「又、出たな」 由平は飛び起きた。床の間の鹿の角の刀架に一本の刀が飾ってあった。由平はそれを取って阿芳に斬りつけた。刀は外....
道化役」より 著者:豊島与志雄
、机が一つ、時とすると片隅に卓子が一つ、掛軸と額、どちらも大抵名士の書だ。そして鹿の角だとか水牛の角だとか、そんなものが一つ、ぽつりと柱にかかっている。それだけ....
魔像」より 著者:林不忘
わず、声を呑《の》んで、白けた眼が、うしろざまに床の間を顧《かえり》みた。そこに鹿の角の刀|架《か》けに二口の豪刀、大迫玄蕃が自慢の差料《さしりょう》で、相州《....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
にもあったようだよ、持って来て上げよう」といわれましたが、次に来た時下すったのは鹿の角で彫った小指位の根附でした。蝦蟇仙人の立姿で蝦蟇を肩に載せています。 「こ....
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
して解せられているが、奇態な事にはその旧仙台領地方に行わるるものが、その獅子頭に鹿の角を有し、他の地方のものにも、またそれぞれ短い二本の角が生えているのである。....
間人考」より 著者:喜田貞吉
した。これ彼らの徒にチャセン或いはササラの称ある所以である。鉢叩きは鹿杖すなわち鹿の角のついた杖を突き、瓢箪を叩いて念仏を申す。その鹿杖を突く事は、彼らがもと多....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
枝を生じ、その枝が成長して九月頃になると全く成長の極に達するのです。最も大なる宝鹿の角はその長さが一|丈二|尺程ある。私は実際その角を天和堂という薬屋へ売りに来....
えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
い. × × また,この島のカッカに生える歯は,鹿の角とひとつで,春になれば生え,秋になれば抜け落ちるので,この島へ流れついた人....