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「鹿毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鹿毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
が、やがてのことに試合始めの太鼓につれて、大坪流の古高新兵衛は逞《たくま》しい黒鹿毛《くろかげ》、八条流の黒住団七は連銭葦毛《れんせんあしげ》、上田流の兵藤十兵....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ちらでござります?」 「お下屋敷じゃ!」 「馬は?」 「これじゃ! てまえのこの鹿毛《かげ》にて参れとのご諚《じょう》じゃ!」 「心得ました!」 代わってひら....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
刀持《たちもち》こそ、昔《むか》しから長閑《のどか》である。狩衣《かりぎぬ》に、鹿毛《かげ》なる駒《こま》の主人《あるじ》は、事なきに慣《な》れし殿上人《てんじ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
す。前にも申した通り、黒太夫の家にはたくさんの馬が飼ってある。その中から裕慶は白鹿毛の大きい馬を選び出しました。そこで、その綱を取っている者は誰にしたらいいかと....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
だき、黒糸に緋を打ちまぜて縅した鎧を着、紺地の母衣に金にて経文を書いたのを負い、鹿毛の馬に跨り采配を振って激励したが、形勢非となったので憤然として母衣を脱して家....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
手と察して、何物であろうかとふり返ったその目にくっきりと映ったのは、逞しやかな黒鹿毛に打ち跨った年若い農夫の姿です。しかもそれが見るからすがすがしい裸馬なのでし....
山県有朋の靴」より 著者:佐々木味津三
そこに来ては寝ころんでいた秣の中から、むくむくと起きあがると、平七は、曳き出した鹿毛にひらりと乗った有朋のさきへ立って、なんのこともない顔を馬と並べ乍ら、パカパ....
シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
った。………… 乗馬は拍車にいきり立つと、土煙を力一杯にすくいあげて、斜な陽に鹿毛の毛並を躍らせた。 「どうしたんだ。高村!」 隊長は遠くから怒鳴り立てて、....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
で小一郎は話しかけた。 「思い付いたことがござます」こう云ったのは君江である。「鹿毛《かげ》を放すことにいたしましょう」 「ああ馬をか? ふうん、何故な」 「ご....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
を開いた。もうすべての学生が犬の周囲に集まっていた。二年生の手塚という医者の子が鹿毛のポインターをしっかりとおさえていた、するとそれと向きあって三年の細井という....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たる馬の名所にて、野に走る牧馬の群はさることながら、途中茅野原を分け行き候へば、鹿毛《かげ》なる駒の二歳位なるが、ひとり忽然《こつぜん》として現はれ、我も驚き、....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
た。アリョーシャとは親友であった。 ミウーソフの馬車からだいぶ遅れて、二頭の青鹿毛《あおかげ》の老馬に引かせた、ひどく古びてがたがたする、だだっ広い辻馬車に乗....
貞操問答」より 著者:菊池寛
みの所まで出ると、夫人は手綱をしめて馬を控えた。 「下りてご覧になりますか。」黒鹿毛に乗っている青年は、後から声をかけた。夫人はかむりを振った。 「貴君こそ疲れ....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
足あとをつけて馬の方へ歩みよった。仔馬のうちから自分の子供のようにして育て上げた鹿毛の奴が、ふうっと鼻息を一つ彼へ吹っかけ、例によってお愛想に低く啼いて、眼をう....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
音が俄かにうしろから近づいて来たので、二人は急にふり向くと、暗い中から一人の侍が鹿毛の馬にまたがって急いで来た。彼は枯れた茅をたばねて松明の代りに振り照していた....