»
麁
「麁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
麁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
据ったのである。この待遇のために、私は、縁を座敷へ進まなければならなかった。 「
麁茶を一つ献じましょう。何事も御覧の通りの侘住居で。……あの、茶道具を、これへな....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
を滞らして、草鞋銭を貰うのだと思ったに違いない。…… 「ええ、これは、お客様、お
麁末なことでして。」 と紺の鯉口に、おなじ幅広の前掛けした、痩せた、色のやや青....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
帽です。 ――覚えていますが、その時、ちゃら金が、ご新姐に、手づくりのお惣菜、
麁末なもの、と重詰の豆府滓、……卯の花を煎ったのに、繊の生姜で小気転を利かせ、酢....
「古狢」より 著者:泉鏡花
てくれたまえ。)――そういって、今度は銃を横へ向けて撃鉄をガチンと掛けるんだ。(
麁葉だが、いかがです。)――貰いものじゃあるが葉巻を出すと、目を見据えて、(贅沢....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
たものもあった。 室内は動揺む。嬰児は泣く。汽車は轟く。街樹は流るる。 「誰の
麁※じゃい。」 と赤ら顔はいよいよ赤くなって、例の白目で、じろり、と一ツずつ、....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
帯、若い世話女房といった形で、その髪のいい、垢抜のした白い顔を、神妙に俯向いて、
麁末な椅子に掛けて、卓子に凭掛って、足袋を繕っていましたよ、紺足袋を…… (鋳掛....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、分け目を熟と瞻ると、奴、いや、少年の助手が、肩から足の上まで刷毛を掛ける。「お
麁末様。」「お世話でした。」と好い気持になって、扉を出ると、大理石の床続きの隣、....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
頭といって街道名代の名物でございます。」 十一 「在り来りの皮は、
麁末な麦の香のする田舎饅頭なんですが、その餡の工合がまた格別、何とも申されません....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
私は行くわいの。」 「茶一つ参らぬか、まあ可いで。」 「預けましょ。」 「これは
麁末なや。」 「お雑作でござりました。」 と斉しく前へ傾きながら、腰に手を据え....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
此処に、「富人の家の子等の着る身無み腐し棄つらむ絹綿らはも」(巻五・九〇〇)、「
麁妙の布衣をだに着せ難に斯くや歎かむ為むすべを無み」(同・九〇一)という歌もある....
「多神教」より 著者:泉鏡花
れ、馴れませぬものだでな、ちょっくらばかり面をつけて見ます了見の処。……根からお
麁末な御馳走を、とろろも※も打ちまけました。ついお囃子に浮かれ出いて、お社の神様....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、数々御めで度く、御よろこび申上げまゐらせ候。左様に候へば、此御まな料、まことに
麁末の御事におはしまし候へども、歳末の御祝儀申上まゐらせ候しるしまでにさし上まゐ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ことにしてあります。」 「さようおっしゃりましてはお可愧しゅうございます、誠にお
麁末で、どうぞ差置かれまし。」 「そうですか、皆様にもうかねてお断がしてあるんだ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
止せば可いに、この貧乏くじをまた自分で買って出たのが、こけ勘なんでさ。 (先晩の
麁忽は、不残手前でございます。愛吉さんは宵から寝ていて何にも知りやしねえもんです....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
、内地化したる熟蝦夷がいたほどであった。しかるにこの山間の仙北地方は、なお久しく
麁蝦夷すなわち生蕃の住処として遺され、奥州の国府多賀城から、出羽の秋田城に通ずる....