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麁末
「麁末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
麁末の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
を滞らして、草鞋銭を貰うのだと思ったに違いない。…… 「ええ、これは、お客様、お
麁末なことでして。」 と紺の鯉口に、おなじ幅広の前掛けした、痩せた、色のやや青....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ものもございますまいがほんの有合で」 數「いや中々|好い茶碗だ」 大「えゝ道具は
麁末でござるが、主人が心入れで、自ら隅田川の水底の水を汲上げ、砂漉にかけ、水を柔....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
方が雲か泥かは、其れは見る人の心次第だが、兎に角著しく変った。引越した年の秋、お
麁末ながら浴室や女中部屋を建増した。其れから中一年置いて、明治四十二年の春、八畳....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
懸け枝を添えて百|万陀羅《まんだら》并《なら》べ立てた上句《あげく》、お勢の親を
麁末《そまつ》にするのまでを文三の罪にして難題を言懸ける。されども文三が死だ気に....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
るを、何かの譬喩のように解かんとする人もあるようだが、他部族の男の種を宿さぬよう
麁末《そまつ》な手術を仕損じてか、とにかくその頃の婦女にはかようの死様《しにざま....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
量では利得にならぬと聞いたが、頃日《このごろ》米国禁鉄となってから、一粒の鉄砂も
麁末《そまつ》にならぬような話を承る、ふとした事から多大の国益が拡がった例多けれ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
帽です。 ――覚えていますが、その時、ちゃら金が、ご新姐に、手づくりのお惣菜、
麁末なもの、と重詰の豆府滓、……卯の花を煎ったのに、繊の生姜で小気転を利かせ、酢....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
帯、若い世話女房といった形で、その髪のいい、垢抜のした白い顔を、神妙に俯向いて、
麁末な椅子に掛けて、卓子に凭掛って、足袋を繕っていましたよ、紺足袋を…… (鋳掛....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、分け目を熟と瞻ると、奴、いや、少年の助手が、肩から足の上まで刷毛を掛ける。「お
麁末様。」「お世話でした。」と好い気持になって、扉を出ると、大理石の床続きの隣、....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
頭といって街道名代の名物でございます。」 十一 「在り来りの皮は、
麁末な麦の香のする田舎饅頭なんですが、その餡の工合がまた格別、何とも申されません....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
私は行くわいの。」 「茶一つ参らぬか、まあ可いで。」 「預けましょ。」 「これは
麁末なや。」 「お雑作でござりました。」 と斉しく前へ傾きながら、腰に手を据え....
「南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
よろしく申しました。承わりますれば、御内室お岩さまが、お産がありましたとやら、お
麁末でござりますが」 お槇はそこで贈物を前へ出した。伊右衛門はうやうやしかった....
「多神教」より 著者:泉鏡花
れ、馴れませぬものだでな、ちょっくらばかり面をつけて見ます了見の処。……根からお
麁末な御馳走を、とろろも※も打ちまけました。ついお囃子に浮かれ出いて、お社の神様....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、数々御めで度く、御よろこび申上げまゐらせ候。左様に候へば、此御まな料、まことに
麁末の御事におはしまし候へども、歳末の御祝儀申上まゐらせ候しるしまでにさし上まゐ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ことにしてあります。」 「さようおっしゃりましてはお可愧しゅうございます、誠にお
麁末で、どうぞ差置かれまし。」 「そうですか、皆様にもうかねてお断がしてあるんだ....