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麒麟
「麒麟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
麒麟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
どの口の先で、御話し申す事が出来ましょう。もし出来たと致しましても、それは恐らく
麒麟《きりん》の代りに、馬を指《さ》して見せると大した違いはございますまい。が、....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
鉄筋コンクリートの中に隠れて、仙台放送局の円本博士が発明したM式マイクロフォンが
麒麟のような聴覚をもち、逓信省の青年技師|利根川保君が設計したテレヴィジョン回転....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、朱欄干、瑪瑙の階、花唐戸。玉楼金殿を空想して、鳳凰の舞う竜の宮居に、牡丹に遊ぶ
麒麟を見ながら、獅子王の座に朝日影さす、桜の花を衾として、明月の如き真珠を枕に、....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
うつらうつらと眼をとじて、よく云えば無念無想、悪く云えば茫然していた。 「武道の
麒麟児と思ったに葉之助殿はお人好しだそうだ」「食わせ物だ食わせ物だ」 「ぼんやり....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
の節、肉どころか、血どころか、贅沢な目玉などはついに賞翫した験がない。鳳凰の髄、
麒麟の鰓さえ、世にも稀な珍味と聞く。虹の目玉だ、やあ、八千年生延びろ、と逆落しの....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
ダメで、いかなる強弩(強力な石矢)もその末は魯縞(うすい布)をうがちえず、壮時の
麒麟も、老いてはたいてい駑馬にも劣るようになる。 力士などは、そのもっともいち....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ていた或名高い漢学者だった。従って又僕等の話はいつか古典の上へ落ちて行った。 「
麒麟はつまり一角獣ですね。それから鳳凰もフェニックスと云う鳥の、……」 この名....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
でした。是を講釈師に云わせますと「四郎天成発明にして一を聞いて十を悟り、世に所謂
麒麟児にして」と必ず斯うあるところですが、尠くも十五の春の頃迄は寧ろ白痴に近かっ....
「博物誌」より 著者:岸田国士
がり出たのだ、この腹痛は? L'Escargot 風邪の季節には出嫌いで、例の
麒麟のような頸をひっこめたまま、蝸牛は、つまった鼻のようにぐつぐつ煮えている。 ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
剣道指南役、秋山要左衛門勝重の次男で、十五歳の時には父勝重を、ぶんなぐったという
麒麟児であり、壮年の頃江戸へ出て、根岸お行の松へ道場を構え、大いに驥足を展ばそう....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
いるのであるが、この浪之助豚児ではないが、さりとて一躍家名を揚げるような、一代の
麒麟児でもなさそうで、剣道は一刀流を学んだが、まだ免許にはやや遠く、学問の方も当....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
がはじめて出勤したように記憶している。又五郎は中村紫琴の遺子で、大阪では子役中の
麒麟児と呼ばれ、鴈治郎ですらも彼に食われるとかいう噂であったが、初上りのせいか、....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
柢や豪健な筆力を窺う事が出来る大作である。 この本堂の内陣の土蔵の扉にも椿岳の
麒麟と鳳凰の画があったそうだが、惜しい哉、十数年前修繕の際に取毀たれてしまった。....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
や家庭教師の口はいくらでもある。まあこのくらいな横着は先生にも大目に見て頂くさ」
麒麟児といわれて十四の歳から新日本音楽の権威である千歳の父のもとに引取られ、厳し....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
君を大切にした。――若宮君のことっていうと二人とも夢中だった。――それは、まァ、
麒麟児といわれた子役のむかしから手塩にかけて、あれだけの立派な役者にしたことを思....