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麒麟児
「麒麟児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
麒麟児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
にかたどり眺めて暮して来ただけではなかったのか。竜駿《りゅうしゅん》はいないか。
麒麟児《きりんじ》はいないか。もうはや、そのような期待には全くほとほと御免である....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
を無視して概括的に考えることにする。 映画は芸術と科学との結婚によって生まれた
麒麟児である。それで映画を論ずる場合に映画の技術に関する科学的の基礎と、その主要....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
中に生きて行く道を授けることにならないとも限らないのである。飲んだくれの父の子に
麒麟児が生い立ち、人格者のむすこにのらくらができあがるのも、あるいはこのへんの消....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
うつらうつらと眼をとじて、よく云えば無念無想、悪く云えば茫然していた。 「武道の
麒麟児と思ったに葉之助殿はお人好しだそうだ」「食わせ物だ食わせ物だ」 「ぼんやり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に宣揚することをまで、深く心の底に考えました。 ああ、この周到なる未来の成功の
麒麟児《きりんじ》を呼んで、「のろま」とは誰がつけた? 七十 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
太郎の受爵の式が行われました。 夢酔道人の丹精むなしからず、あっぱれ幕府旗下の
麒麟児《きりんじ》として、徳川の興亡を肩にかけて起つ人となり、ここに、受爵の恩命....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
していた)一角獣は麒麟に違いなかった。僕は或敵意のある批評家の僕を「九百十年代の
麒麟児」と呼んだのを思い出し、この十字架のかかった屋根裏も安全地帯ではないことを....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
でした。是を講釈師に云わせますと「四郎天成発明にして一を聞いて十を悟り、世に所謂
麒麟児にして」と必ず斯うあるところですが、尠くも十五の春の頃迄は寧ろ白痴に近かっ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
剣道指南役、秋山要左衛門勝重の次男で、十五歳の時には父勝重を、ぶんなぐったという
麒麟児であり、壮年の頃江戸へ出て、根岸お行の松へ道場を構え、大いに驥足を展ばそう....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
いるのであるが、この浪之助豚児ではないが、さりとて一躍家名を揚げるような、一代の
麒麟児でもなさそうで、剣道は一刀流を学んだが、まだ免許にはやや遠く、学問の方も当....
「竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
竹本綾之助《たけもとあやのすけ》、その女《ひと》もその約束をもって、しかも天才|
麒麟児《きりんじ》として、その上に美貌《びぼう》をもって生れた。私は綾之助を幸福....
「円朝花火」より 著者:正岡容
勝手元から顔中が鼻ばかりみたような飄逸な顔を見せたのは、滑稽噺とすててこに市井の
麒麟児と歌われそめた三遊亭圓遊だった。 「いけねえんだ。まるっきり、もののあいろ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
がはじめて出勤したように記憶している。又五郎は中村紫琴の遺子で、大阪では子役中の
麒麟児と呼ばれ、鴈治郎ですらも彼に食われるとかいう噂であったが、初上りのせいか、....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
や家庭教師の口はいくらでもある。まあこのくらいな横着は先生にも大目に見て頂くさ」
麒麟児といわれて十四の歳から新日本音楽の権威である千歳の父のもとに引取られ、厳し....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
君を大切にした。――若宮君のことっていうと二人とも夢中だった。――それは、まァ、
麒麟児といわれた子役のむかしから手塩にかけて、あれだけの立派な役者にしたことを思....