麗質[語句情報] »
麗質
「麗質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
麗質の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
四 滝の白糸は越後の国|新潟《にいがた》の産にして、その地特有の
麗質を備えたるが上に、その手練の水芸は、ほとんど人間|業《わざ》を離れて、すこぶ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
んおう》にして窺知《きち》すべからざる、巧妙なる、美妙なる、奇妙なる、霊妙なる、
麗質を、惜気もなく発揚し了《おわ》った。しかしてその
麗質は天下の女性《にょしょう....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
がままに任せる上に、英吉も云った通り、実家から附属の化粧料があるから、天のなせる
麗質に、紅粉の装をもってして、小遣が自由になる。しかも御衣勝の着痩はしたが、玉の....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
英国ノリッチ(Norwich)州の名家ティロー家に生れた。資性温順の上に、天成の
麗質であったが、厳粛なる家庭教育の下に人となり、ことに古文学および近世語に熟達し....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
つけて、折角の愛らしい口元を、子鬼の笑ったようにしてしまうもの多きは、寧ろ天性の
麗質を損ずるもの、吾儕が生粋の江戸ッ児には憚んながらそんな女は一人もいないはずだ....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
清田のおばさまを、私は直接には識らない。久子から聞いただけのことだ。――天成の
麗質で、典型的な美人だったらしい。若くて夫に死なれ、その未亡人生活には幾人かの男....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
ミナリをかまわない娘ですから見るからにヤボな女学生姿ですが、それだけに磨けば光る
麗質はむきだしに目をうち、磨いた場合の想像であれこれ逞しく色気を味うことができま....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
髪は角髪衣裳は振袖、茶宇の袴に細身の大小、草履を穿いた四郎の姿は、天の成せる
麗質と相俟って往来の人々の眼を欷て別ても若い女などは立ち止まって見たり振り返って....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
お母さんの着物も粗末であった。鈴子も流行の着物は着ていなかった。ただ彼女の天然の
麗質と、すらりとした美しい姿態のために身について見えるのであった。 仁田の家の....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
過ぎるために芸が上達しない例は今日まで俳優の歴史を通じて沢山あります。 天性の
麗質も、それを更にいろいろな方法で磨かなければ、ほんとうの意味で人間としての魅力....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
。実行しなければ意味をなさんものである。 易者に見せる写真だというから、天性の
麗質を強いて現す必要もないが、せめて顔を洗い、目を涼しくして、頭脳メイセキの片リ....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
こ》のお仲間であった。 鎌子は淑女としての素養はすべて教育された。その上彼女は
麗質美貌であり、押出しの立派な伯爵若夫人であった。夫の寛治氏は、彼女も好んで迎え....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
化粧する場面を見せたなどは、芝居の方からは謂わば邪道である。歌右衛門がその天賦の
麗質によほどの自信があったからでもあるが、それを又人々が喜んだのだった。思えば女....
「猿ヶ京」より 著者:佐藤垢石
かけては、何一つ欠くるところがないまでに育て、そして躾けたのである。そして天稟の
麗質の持ち主であった。 縁があって、この美人は熊本県の千万長者の長男のところへ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
えられ秦王の誅を受けた。母と残された麗姫はこのときまだこどもであった。天の成せる
麗質は蕾のままで外へ匂い透り行末希代の名花に咲き誇るだろうと人々に予感を与えてい....