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「麻布〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

麻布の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
振動魔」より 著者:海野十三
棚にあることを兼ねて眼をつけておいたものだから、今日は行って借りてこようと思い、麻布本村町にある彼の柿丘邸に足を向けたのだった。 玄関をガラリと開けると、僕は....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
立ちかわり押しかけては、時代逆行の珍現象を呈した。それを鎮撫するのに、陸軍大臣に麻布第三連隊に総動員を命ずるという前代未聞の大騒ぎが起ったのであった。 しかし....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
お願いいたしますよ」 「わかりました」司令官は、大きく肯いた。「草津参謀。君は、麻布第三聯隊の一個小隊を指導して、直ちに、お茶の水へ出発せい」 「はいッ。草津大....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ざるを得ない。 十二月二十九日 ◯きのう岡東夫人がきて、「さっき警報発令前に、麻布十番へ焼夷弾が落ちた」と話して行った。きょう博文館の新青年女史がきて「あれは....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、古びた玩弄品屋の店で、ありあわせたこの雀を買ったのがはじまりで、笛吹はかつて、麻布辺の大資産家で、郷土民俗の趣味と、研究と、地鎮祭をかねて、飛騨、三河、信濃の....
火星兵団」より 著者:海野十三
」 と、主任は、例の追跡談をくわしく語り出したのであった。ついにその自動車は、麻布の崖の上から下に落ちてしまったことや、運転手が、まっ逆さまに落ちる自動車の中....
空襲警報」より 著者:海野十三
ーと、物凄い唸声をあげて、真赤な消防自動車が、砲弾のように坂を駈け上っていった。麻布の方に、烈々たる火の手が見える。防毒面をつけた運転手は、防毒面の下で半泣にな....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
ていようと思う。私は、当日、小作の挿画のために、場所の実写を誂えるのに同行して、麻布我善坊から、狸穴辺――化けるのかと、すぐまたおなかまから苦情が出そうである。....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
。山の爺が雲から覗く。眼界|濶然として目黒に豁け、大崎に伸び、伊皿子かけて一渡り麻布を望む。烏は鴎が浮いたよう、遠近の森は晴れた島、目近き雷神の一本の大栂の、旗....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
度だ。婆や婆や。」 「ふええ。」 「あれだ、聞いたか――池の端茅町の声でないよ、麻布|狸穴の音だ。ああ、返事と一所に、鶯を聞きたいなあ。」 やがて、水の流を前....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
」 総髪を木皮で後に束ねて、いかめしく髭を蓄えたる主人大炊之助が、奥から花色の麻布に短刀を佩いて出で来った。 勝国手と主人との対談中に、直芳は何心なく室内を....
雪柳」より 著者:泉鏡花
はしません。それは話につれて、自然おわかりになりましょう。就いては場所――場所は麻布――狸穴ではなく――二の橋あたり、十番に近い洒落れた処ゆえ、お取次をする前に....
迷信解」より 著者:井上円了
信仰療法と名づくる方が適当じゃ。ほかにもこれに類したる例がある。すなわち、「東京麻布に火傷の御札を出す所あり。その形名刺に似て、その表に「上」の字あり。この札を....
西航日録」より 著者:井上円了
す。これ商工業の中心にて、近来、年一年より繁栄に進むという。工業中、当地の特産は麻布なり。 十万人家工又商、街車如織往来忙、煙筒林立凌雲処、都是績麻製布場。 (....
こがらし」より 著者:岩本素白
の五人までが生え抜きの東京生れの学生であった。其の時こそ下谷、本郷、四谷、牛込、麻布という土地に住んで、大方が山の手組であったが、家の系統を聞くと、総てずっとを....