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麻竹
「麻竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
麻竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
茂っていたためである。実際その夥《おびただ》しい木賊はNさんの言葉に従えば、「胡
麻竹《ごまだけ》を打った濡《ぬ》れ縁さえ突き上げるように」茂っていた。
女隠居....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
ま》で包まれている。長い袖を三寸余も縁《えん》に牽《ひ》いた。これは頭より高い胡
麻竹《ごまだけ》の杖《つえ》を突いて来た。杖の先には光を帯びた鳥の羽《は》をふさ....
「道草」より 著者:夏目漱石
ちにある一つを択《え》り出して入れた。それからその額を環《かん》の着いた細長い胡
麻竹《ごまだけ》の下へ振《ぶ》ら下げて、床の間の釘《くぎ》へ懸けた。竹に丸味があ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
をくれたというふうに、男持ちとしてはわりかた骨細にできた京風の扇の形をながめ、胡
麻竹の骨の上にあしらってある紙の色の薄紫と灰色の調和をも好ましそうにながめて、 ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
からはいって来た。みんな得物を持っていた。 出番の来るのを待っていた。まさに稲
麻竹葦であった。葉之助よ! どうするつもりだ※ その時|鏘然と太刀音がした。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
びう》の間にかがやかしています。けれどもこうして、すべての桟敷も埋まり、見物も稲
麻竹葦《とうまちくい》の如く集まっているのに、今日の催しの主催者であるべき駒井能....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、夏ならば昼間から虫の音が聞こえようという荒れ方。その隅にショボショボと生えた胡
麻竹が風に揺られている有様なんていうものは、これが東京丸の内の地内かと怪しまれる....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
がった小粋な大坂格子。ちょっとした濡灯籠《ぬれどうろう》があって、そのそばに、胡
麻竹が七八本。 入口が漆喰《たたき》で、いきなり三畳。次が、五畳半に八畳六畳と....
「金狼」より 著者:久生十蘭
しょう……」 もう、人間のような顔をしていなかった。 8 ひと束ほどの庭の胡
麻竹が、省線が通るたびにサヤサヤと揺れる。新宿劇場の近くで、〈磯なれ〉という小料....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
鱒《ひめます》を釣りますには鋼鉄製の英国ふうの釣竿より、どうも日本《おくに》の胡
麻竹の釣竿の方が……」とか思いもかけぬ訊問の奇襲にあうによって、コン吉の市中の散....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の不平やら未練やら慚愧やら悔恨やら疑惑やらが三方四方から押寄せて来て、あたかも稲
麻竹葦と包囲された中に籠城する如くに抜差ならない煩悶苦吟に苛まれていた。 二葉....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
の兄きがところへ遊びに行たとお吉帰らば云うておけ、と草履つっかけ出合いがしら、胡
麻竹の杖とぼとぼと焼痕のある提灯片手、老いの歩みの見る目笑止にへの字なりして此方....