麻糸[語句情報] »
麻糸
「麻糸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
麻糸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
ちにすでにバラバラになりそうな代物《しろもの》ゆえ、彼はこれを丈夫《じょうぶ》な
麻糸で綴じなおした。 この時が僕も桂も数え年の十四歳。桂は一度西国立志編の美味....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ぼ思い出すことができなかった。ともかくもと思って私はナイフでがんじょうな渋びきの
麻糸を切りほごしにかかった。油紙を一皮めくるとその中にまた
麻糸で堅く結わえた油紙....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
き取ってそれを階下の洗面所で洗ってから、ふたたび鐘楼に戻って来ました。今度は長い
麻糸の先に錘をつけて、それを二つの大鐘の中間を目掛け横木を越えるように投げ上げた....
「父」より 著者:金子ふみ子
から私の家の暮し向きのゆたかである筈はなく、そのためであろう、母と叔母とは内職に
麻糸つなぎをしていた。毎日毎日、母はそうして繋いだ三つか四つの
麻糸の塊を風呂敷に....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
体、これは、どういうわけだろう。どっちが本当かしら」 彼の頭は、こんがらがった
麻糸のように乱れた。どうすればいいのやら、わけがわからなくなった。 困惑しきっ....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
穴は深いが、なんにもない。ただ一つ土のなかから、丸い環と、これについている沢山の
麻糸とをみつけだした。 「なんだろう、これは?」 と、手にとりあげて見ていたが....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
る夜が多かった。 と、災厄はつぎからつぎへと起こる、ある夜かれが家へ帰ると母が
麻糸つなぎをやっていた、いくらにもならないのだが、彼女はいくらかでも働かねば正月....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
式台、あの高い処に、晩出の参詣を待って、お納所が、盆礼、お返しのしるしと、紅白の
麻糸を三宝に積んで、小机を控えた前へ。どうです、私が引込むもんだから、お京さん、....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
ド人の使うような独木舟が一|隻出来上りました。 船はヤーフの皮で張って、手製の
麻糸で縫い合せました。帆もやはりヤーフの皮で作りました。兎と鳥の蒸肉、それに牛乳....
「三輪の麻糸」より 著者:楠山正雄
向かって、 「今夜お婿さんの来る前に、部屋にいっぱい赤土をまいてお置き。それから
麻糸を針にとおしておいて、お婿さんの帰るとき、そっと着物のすそにさしてお置き。」....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
って、くさりかたびらを、一枚一枚編みました。けれどいよいよ七枚めにかかったとき、
麻糸がつきてしまいました。 エリーザは、お寺の墓地へいけば、イラクサの生えてい....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
なものであった。 消し口を取ると、消し札というものをぶら下げた。これは箱根竹に
麻糸で結わえた細い木の札で、これが掛かると、その組々の消し口が裏書きされたことに....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
は釘とじ式のものに適応するわけである。(釘とじは、針金などの金属が腐るのを避けて
麻糸等によるものがある。之は針金とじというよりも、やはり総称である打抜き綴じとい....
「想い出」より 著者:佐藤垢石
しらえて貰ったのである。 鼻環は、木綿針を長さ八分ほどに切り落とし、真んなかを
麻糸で括った撞木式。テグスの鈎素へ、鈎を麻で結びつけた鈎付け。鈎は袖型であったが....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
いのもの三本のうち、二本は長さ九寸、他の一本は九寸五分にきり、その節を抜き取り、
麻糸を左によりたる紐にて、右三本の竹を七巻きに結びて一束となし、さらに他の白紙三....