麻薬[語句情報] » 麻薬

「麻薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

麻薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
射を受けて、間歇的《かんけつてき》に起こる痛みのために無意識に顔をしかめながら、麻薬《まやく》の恐ろしい力の下に、ただ昏々《こんこん》と奇怪な仮睡に陥り込むよう....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
極めて危険な薬剤を与えました、其の薬剤には印度に産するグラニルという草から製した麻薬ですが極めて人身へ異様な影響を及ぼすのです、或る分量を服すれば即死しますが、....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
なってしまったんだそうです」 「どうしたのだろう」 「女の膝から博士の膝へ、或る麻薬《まやく》の注射が施《ほどこ》されたんでしょうね。博士は、そういえばちくりと....
海底都市」より 著者:海野十三
。 しかし僕はそのとき自分の知覚をすこしずつ取戻しつつあったのだ。 (誰か僕に麻薬を嗅《か》がしたんだな。そして眼がさめてみりゃ僕は意外な場所に横たわっている....
地獄の使者」より 著者:海野十三
十歳ばかりの、この工場では古顔の工員であった。彼には一つの気の毒な病気があった。麻薬中毒者なのであった。彼は取締のきびしい中をくぐって、麻薬を手に入れなければな....
帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
薬を注射して、無感動であった悪夢の時間があったはずだ。戦争というまことに不可解な麻薬による悪夢であり、そこでは人智は錯倒して奇妙に原色的な、一見バカバカしいほど....
不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
によると、特に日本には真性アル中というものは殆どない由である。 けれども、酒を麻薬に非ず、料理の一種と思ったら、大マチガイですよ。 酒は、うまいもんじゃない....
僕はもう治っている」より 著者:坂口安吾
ができるものなら、こゝの患者は全部逃げだしていますよ。 四、五日前にも警視庁の麻薬係という三人組が現われて、坂口は麻薬中毒だろう、嘘をつくな、と、千谷先生、係....
精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
で十何組も乗りつけて、千谷さんは、撃退するに手こずられた由であった。すると、僕が麻薬中毒だという説がとび、警視庁の三人の麻薬係が現れ、千谷さんはカルテを見せて説....
日月様」より 著者:坂口安吾
私が精神病院へ入院しているとき、妙な噂が立った。私が麻薬中毒だというのである。警視庁から麻薬係というのが三人きて、私の担当の千谷先生....
深夜は睡るに限ること」より 著者:坂口安吾
浦島太郎の弟分に当る古典的近代が実存致しているのです。この浦島次郎療法は鬱病とか麻薬中毒などに用いて卓効がある。さる強力な催眠薬を用いて人工的に一ヶ月ほど昏睡さ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
志力を喪失した場合のみの現象で、中毒と同じ精神病であるところに欠点があるだけだ。麻薬や中毒は破滅とか自殺に至って終止符をうたれるが、宗教はともかく身を全うするこ....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
手を手にとって、チョイ、チョイ、チョイと三人の腕や背や胸をつくと、三名の豪の者が麻薬のお灸にかけられたように痺れてしまった。 素人が見たのでは、人間の身体は脆....
南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
は二人の護衛の若者がついていて、取引の終るまでピストルに指をかけて見張っている。麻薬を扱うこともある。どこの何者とも分らないが、仲間の間ではミス南京とよばれてい....
夜光虫」より 著者:織田作之助
いやがるのを無理に、脅したり、すかしたり、甘言を弄したりして、家へ連れこんでは、麻薬をかがせて、刺青をしてしまうのよ。あいつのために刺青をされた人間がどれだけい....