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麻酔薬
「麻酔薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
麻酔薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
したように動かなかった。が、全身で木崎を意識しているようだった。眼かくしをされ、
麻酔薬をかがされても、メス皿にカチリと触れる音はかすかに聴いている患者のように。....
「職工と微笑」より 著者:松永延造
く捕えた。 尋常でない畏怖の表情を以て女性は眤と私を見つめ、そして私の眼の中に
麻酔薬のようなものを感じて昏倒しかけた。 「いけません! それは、ああ私には堅い....
「蠅男」より 著者:海野十三
た。 室のなかに入ってみると、糸子はもうすっかり元気を回復していた。ただ、まだ
麻酔薬が完全にぬけきらないと見えて、いく分睡そうな顔つきは残っていたが……。 「....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
槍と、酒精ランプと、第三号がなければ生きて行かれなかった。彼は、一日に一度は必ず
麻酔薬を吸わずにはいられなかった。体内から薬の気が切れると、疼くような唸きにのた....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
カチャカポコ。あ――ア。よもや日本にゃ無いとは思うが。人を殺すにゃ短刀ピストル。
麻酔薬、毒薬、絹紐、ハンカチ。数を尽くした瓦落多道具が。あるが中にも文明国では。....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
」……「」と印刷してあった。 その瓶の中に七分通り満たされている透明な、冷たい
麻酔薬の動揺を両手に感じた時の、私の陶酔気分といったら無かった。この気持ちよさを....
「S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
早過ぎます。目下のところ、確定しているのは東作が犯人でないことと、犯人らしい奴が
麻酔薬の使用に狃れている事と、この二つだけです。しかしソンナ犯人が、この方面へ立....
「人造人間」より 著者:平林初之輔
段の手段に訴えねばなりませんでした。人造人間の実験がそれであります。昨日は貴女に
麻酔薬を用いて、老婆に頼んで、愛児を講演会場につれてゆきました。どうにか会場では....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
には一寸した呼吸のおいやり方がある、早く云やア多勢で奉って一杯飲ませる、酒の中へ
麻酔薬を入れて飲ませるので、これを飲ませれば身体が利かん、此処にはお医者もお出で....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
してなまやさしいことではないのだ。ことに君らのような純真な青年が、どこもかしこも
麻酔薬をふりまかれているようなこれからの時代に、それを守ることは、容易ではない。....
「高瀬舟縁起」より 著者:森鴎外
あの苦しみを長くさせておかずに、早く死なせてやりたいという情は必ず起こる。ここに
麻酔薬を与えてよいか悪いかという疑いが生ずるのである。その薬は致死量でないにして....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
の女を連れて帰った。彼は扉を細目にあけて見ていたが、間もなく大原はハンカチーフに
麻酔薬をしめして女の口を蔽った。実は女が帰ってから殺すつもりであったけれども、自....
「祭の夜」より 著者:平林初之輔
ところがそうじゃないのだ。呼吸は普通にしている。体温にも異状はない。きっと誰かに
麻酔薬をかがされたんだよ。こちらへ来てみて成る程と合点がいったわけだが、泥棒が、....
「『心理試験』を読む」より 著者:平林初之輔
的」ではなくてモダンという色彩であろう。「日本刀のニオイ」の他に、注射針の感覚や
麻酔薬のニオイにも打たれるであろう。 というわけは、「日本的」であるにかかわわ....
「眠い町」より 著者:小川未明
」 と、ケーは独り言をして、自分で気を励ましました。 けれど、それは、ちょうど
麻酔薬をかがされたときのように、体がだんだんしびれてきました。そして、もうすこし....