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黄
「黄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
それを飲んじゃ。」
僕はT君に注意した。薄い光のさしたグラスの中にはまだ小さい
黄金虫《こがねむし》が一匹、仰向《あおむ》けになってもがいていた。T君は白葡萄酒....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ィノは反省した。
「この国の風景は美しい。気候もまず温和である。土人は、――あの
黄面《こうめん》の小人《こびと》よりも、まだしも黒ん坊がましかも知れない。しかし....
「河童」より 著者:芥川竜之介
錠《じょう》をおろしてしまいました。しかし鍵穴《かぎあな》からのぞいてみると、硫
黄《いおう》の粉末を顔に塗った、背《せい》の低い雌《めす》の河童《かっぱ》が一匹....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
よりも瘴気《しょうき》に近いものにこもっていた。それは街燈の光のせいか、妙にまた
黄色《きいろ》に見えるものだった。僕等は腕を組んだまま、二十五の昔と同じように大....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ありながら、時々雨の降る天気であった。二人は両方に立ち別れて、棗《なつめ》の葉が
黄ばんでいる寺の塀外《へいそと》を徘徊《はいかい》しながら、勇んで兵衛の参詣を待....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
側はずっと西洋館でしてね。ただ、写真が古いせいか、一体に夕方みたいにうすぼんやり
黄いろくって、その家《うち》や木がみんな妙にぶるぶるふるえていて――そりゃさびし....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
をつけたのを眺めていた。日の色はもううすれ切って、植込みの竹のかげからは、早くも
黄昏《たそがれ》がひろがろうとするらしい。が、障子の中では、不相変《あいかわらず....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
《ねずみいろ》に統一されて、その所々には障子《しょうじ》にうつるともしびの光さえ
黄色く靄《もや》の中に浮んでいる。上げ潮につれて灰色の帆を半ば張った伝馬船《てん....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
《し》らべている。一人《ひとり》はまだ二十《はたち》前後であろう。もう一人はやや
黄ばみかけた、長い口髭《くちひげ》をはやしている。
そのうちに二十前後の支那人....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
《ひとり》は真紅《しんく》の海水着を着、もう一人はちょうど虎《とら》のように黒と
黄とだんだらの海水着を着た、軽快な後姿を見送ると、いつか言い合せたように微笑して....
「運」より 著者:芥川竜之介
通る。壺装束《つぼしょうぞく》をした女が通る。その後《あと》からは、めずらしく、
黄牛《あめうし》に曳《ひ》かせた網代車《あじろぐるま》が通った。それが皆、疎《ま....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
おうとして、私はむかしの文書を選り分けにかかったのだった。 私は抽斗をあけると
黄ろく色の変った紙片がうず高く積みあがっているのを見て、暫時は途方に暮れたが、や....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
なのだ。 パリを立つ前に、ファラデーはナポレオンをちょっと見た。馬車に乗って、
黄鼬の大きな長衣を着こみ、頭には天鵞絨の帽子を戴き、鳥の羽がさがりて顔もほとんど....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た。そのあいだに、イカバッドはあの大きなエルムの木の下の泉のほとりや、あるいは、
黄昏のなかをぶらぶら散歩しながら、娘を口説くのだった。この時刻は恋人が雄弁をふる....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
すと、広い平原になって、そこから城下の方まで、十里四方の水田がひろがって、田には
黄金の稲が一杯に実っていました。 「伊作の足あ、なんて早いんだべい!」 と多助は....