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黄土
「黄土〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黄土の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「沼地」より 著者:芥川竜之介
三度《みたび》この憂鬱な油画を覗いて見た。そこにはうす暗い空と水との間に、濡れた
黄土《おうど》の色をした蘆《あし》が、白楊《ポプラア》が、無花果《いちじゅく》が....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
した神話風景といった方が、適切であるかも知れない。 扉の右手には、朱丹・群青・
黄土・緑青等の古代岩絵具の色調が、見事な色素定着法で現わされている、二人の冥界の....
「食魔」より 著者:岡本かの子
もの着ものなど、竹竿で干し出されているのをときどき見受ける。 鼠色の瓦屋根も、
黄土色の壁も、トンネルの紅色の煉瓦も、燻されまた晒されて、すっかり原色を失い、こ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
まわった。「おい、そこで腰骨をのばして居るんは誰だッ!」 一方で掘りかえされる
黄土は、他の兵士達の手によって、麻袋に、つめられる。 兵士は顔を洗うひまもなか....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
いが色調が、どうも卑しくなりますから、日本画用の、胡粉、朱、白緑、白群青、群青、
黄土、代赭等を使用するのが、最もいいようです、右を充分|乳鉢で摺って用います。(....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
よいが、色調がどうも卑しくなりますから、日本画用の胡粉、朱、白緑、白群青、群青、
黄土、岱赫、金銀泥等を用うるのが最もいい様です。 膠 それ等の絵具は日本絵を描く....
「『尚書』の高等批評」より 著者:白鳥庫吉
照せしめしが如きは、之をしも史實として採用し得べきや。又禹の治水にしても、洪水は
黄土の沈澱によりて起る黄河の特性にして、河畔住民の禍福に關すること極めて大なるも....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
だろうという説があるが、或は娘子は一人のみではなかったのかも知れない。住吉の岸の
黄土で衣を美しく摺って記念とする趣である。「旅ゆく」はいよいよ京へお帰りになるこ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
てきたいろんな国々の大ぜいの女たちなどが、彼の眼に映った。それから次の瞬間には、
黄土のように茶色の霧が再びそのあたりに下りて、彼をその野卑な周囲からさえぎってし....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
のは分らない。 黄河という河は、堤を築くだけでは必ず洪水の起る河である。流れが
黄土を運んで年々一メートルぐらい堆積するから、早くて十年、おそくて二十年ぐらいで....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
トオベンの音楽をきいて、芸術がどんなもんだか、考え直してくれないかな。 「風蝕」
黄土地帯か氷山か。この作者が風蝕という言葉を知っていたという意味の絵。 「信仰の....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
跡なのである。 潼関から上流の三千余キロというものは、河南、山西、陝西、甘粛の
黄土層を流れてくる。 華北には雨季という特別のシーズンはない。時に、三日から十....
「春」より 著者:竹久夢二
室内で装置する場合には、緑色の布を額縁として画り、地は、春の土を思わせるような、
黄土色の布か、緋毛氈を敷きつめる。背景は、神経質な電気の反射を避けるため、空も山....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
ほど変っていた。第一、太湖石は素晴しく大きなものである。それに真物は絵とちがって
黄土色を呈しているのである。 獅子林は真中が池である。裏手の方に門があり、太湖....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
のである。 椿岳の泥画というは絵馬や一文人形を彩色するに用ゆる下等絵具の紅殻、
黄土、丹、群青、胡粉、緑青等に少量の墨を交ぜて描いた画である。そればかりでなく泥....