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「黄土色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黄土色の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
もの着ものなど、竹竿で干し出されているのをときどき見受ける。 鼠色の瓦屋根も、黄土色の壁も、トンネルの紅色の煉瓦も、燻されまた晒されて、すっかり原色を失い、こ....
道標」より 著者:宮本百合子
しもうとしたのだろう。表玄関がすっかりエジプト式に装飾してあった。胴のふくらんだ黄土色の太い二本の柱には、朱、緑、黄などでパピラスの形象文字が絵のように描かれて....
Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
いで長嘯漫歩しているふぜいである。空はまっさおに、ビルディングの壁面はあたたかい黄土色に輝いている。 こういう光景は十年前にはおそらく見られないものであったろ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
かな顔つきと、きわめて丁重な態度と、首の所までボタンをかけた服と、燃えるような濃黄土色の長いだぶだぶのズボンをはいていつも組み合わしてる大きな足だけだった。その....
」より 著者:竹久夢二
室内で装置する場合には、緑色の布を額縁として画り、地は、春の土を思わせるような、黄土色の布か、緋毛氈を敷きつめる。背景は、神経質な電気の反射を避けるため、空も山....
余齢初旅」より 著者:上村松園
ほど変っていた。第一、太湖石は素晴しく大きなものである。それに真物は絵とちがって黄土色を呈しているのである。 獅子林は真中が池である。裏手の方に門があり、太湖....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
一 ……それは、三十四五の、たいへんおおまかな感じの夫人で、大きな蘭の花の模様のついたタフタを和服に仕立て、黄土色の無地《むじ》の帯を胸さがりにしめているといったふうなかたです。 勇夫《....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
んなりと垂らしている。 長椅子の向う側に、紫の天鵞絨《びろうど》の上衣に、濃い黄土色のズボンをはいた二十五、六の青年が、背もたせのうえに両膝をつき、おだやかな....