黄浦江[語句情報] » 黄浦江

「黄浦江〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黄浦江の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
たのは僕じゃない。世界中の人間が損をしたんだ。」 僕等はもう船の灯《ひ》の多い黄浦江《こうほこう》の岸を歩いていた。彼はちょっと歩みをとめ、顋《あご》で「見ろ....
象牙の牌」より 著者:渡辺温
溜まりで、ガルソンから、けさ一人の支那人が宿《うち》から程遠からぬ所を流れている黄浦江《おうほこう》の河岸に惨殺されていた、と云う話を聞かされたのです。ところが....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
果したつもりである。質的のバーター・システムをね。あのインチキ・ウィスキーは悉く黄浦江へ流してしまったよ。以後お前とは絶交じゃ” と、博士は手紙の端に黒々と句読点をうったのであった。....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
に、租界の中だけでも、三千百四の柱時計がめちゃくちゃに解体されたそうで、そのほか黄浦江の中へ投げこまれたものが六百何十とやらにのぼったという。まことに人騒がせな....
上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
、充分の職場を求むるに由なく、徒らに蝟集している観さえある。租界中央の競馬場から黄浦江岸バンドの高層建築街に至る中間の支那街路は、全く喧騒雑沓の巷である。この辺....
秦の憂愁」より 著者:豊島与志雄
たのはブロードウェー・マンションの十五階の一室で、目の下に街衢の屋並から、遙か、黄浦江の流れや村落が展望された。多くは大気が濁っていて、少し遠くはもう茫とかすん....
秦の出発」より 著者:豊島与志雄
、全然新らしい方面への出発となるだろう。」 彼は窓から外に眼をやり、暮れかけた黄浦江のどんよりした水面を眺めた。――私たちの食卓は窓際にあったので、江上の小舟....
十九の秋」より 著者:永井荷風
は父の書斎、一つは寝室であるが、そのいずれからも坐《い》ながらにして、海のような黄浦江《こうほこう》の両岸が一目に見渡される。父はわたくしに裏手の一室を与えて滞....