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黄濁
「黄濁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黄濁の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大阪万華鏡」より 著者:吉行エイスケ
市債の抬頭《たいとう》等の変化を見せたが、国内における購買力の減少は、街から街に
黄濁の切断面をつくった。 この界隈の連合委員会の事業振興の決議案にもかかわらず....
「死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
容が人形のように小さく見えた。空も遠くの方も濛濛たる煙に覆われて、四辺は気味悪く
黄濁して見えた。いくらか遠退いて来たが、地の震えは歇まなかった。私はまだ何かしら....
「地獄の使」より 著者:田中貢太郎
と火を出して灯明をあげ、それがすむと前に坐って念仏をはじめた。 老婆の前には、
黄濁色の顔をしたお爺さんが来て立っていた。そして、お勤めがすむと、老婆の心は餅に....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
した。 大きな眼鏡からはみ出した顔の部分は、雨あがりのセエヌ河の水のようなやや
黄濁した色をし、削瘠《さくせき》した顎《あご》の先には、よく刈り込んだアルフォン....
「西航日録」より 著者:井上円了
す。前日より海水ようやく泥土を含み、陸地に接するを覚えしが、今朝に至り、海面一色
黄濁に変じ、はるかに陸端を認むるを得たり。シンガポールよりここに至るまで、千八百....
「三国志」より 著者:吉川英治
かけた。 両軍の射交わす矢うなりに、陸地と江上のあいだは矢の往来で暗くなった。
黄濁な揚子江の水は岸に激して凄愴な飛沫をあげ、幾度かそこへ、小舟の精兵が群れをな....
「三国志」より 著者:吉川英治
終ってしまった。 甘寧は、鐘鼓を鳴らして、船歌高く引きあげたが、戦がやんでも、
黄濁な大江の水には、破船の旗やら、焼けた舵やら、無数の死屍などが、洪水のあとのよ....