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黎明
「黎明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黎明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、――人間の目のとどかない、遠くの空に、さびしく、冷ややかに明けてゆく、不滅な、
黎明《れいめい》を見たのである。
「この子は――この子は、わしの子じゃ。」
彼....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
てゆくのが見える。
第三の声 (静に)夜明だ。己と一緒に大きな世界へ来るがいい。
黎明《れいめい》の光の中に黒い覆面をした男とAとが出て行くのが見える。
....
「家霊」より 著者:岡本かの子
えである。「いのち」という文字には何か不安に対する魅力や虚無から出立する冒険や、
黎明《れいめい》に対しての執拗《しつよう》な追求性――こういったものと結び付けて....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
明け離れて行こうとするのだ。夜の闇は暗く濃く沖のほうに追いつめられて、東の空には
黎明の新しい光が雲を破り始める。物すさまじい朝焼けだ。あやまって海に落ち込んだ悪....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
まや太平洋を征服し、東洋民族の盟主として仰がれることになりました新日本の光輝ある
黎明を迎えるに当り、その尊き犠牲となったわが戦士と不幸な市民たちを弔い、又アメリ....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
子色に厚みを保って陽気でも陰気でもなかった。性を脱いでしまった現実の世界だった。
黎明といえば永遠な
黎明、黄昏といえば永遠に黄昏の世界だった。陸上の生活力を一度死....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
沢岳が小屋の背景になる。雄大な景色で、初めは工合が悪かった。朝ここへ入ると、薄い
黎明の日が小屋にあたって、緑の草の上に原始的な小屋が、オレンジ色に、静まりかえっ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
も増大していったのである。 落下傘《らっかさん》見ゆ――果して同志の六名か
黎明《れいめい》が来た。 クロクロ島は、いつしか元のとおりに海面に浮かび上って....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
第一章 幽明の交通とその目途 問『現代はいかなる時か?』 新時代の
黎明、今も昔と同じく、他方に於てこれに反抗する魔群がある。世界の歴史は畢竟、善と....
「白光」より 著者:井上紅梅
けて下さい」 大きな希望を含みながら恐怖の悲声、かげろうにも似ている西関門前の
黎明の中に戦々兢々として叫んだ。 二日目の日中、西門から十五里の万流湖の中に一....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
、暁にふるえるユニオン・ジャックの翩翻たるを見たのである。印度の朝、しかし真実の
黎明には遠い。私はチャンド君の寝顔と見くらべ、そう呟いたのであった。....
「キド効果」より 著者:海野十三
とで、ムッと咽せかえるような実に堪えがたい一夜だった。それが間違いなくやってきた
黎明と共に、ガタンと落とした窓からスースー脱けていってしまって、代りに新鮮な空気....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
田の畦が現れ、小さい石地蔵、施餓鬼の塔婆など立っている。雲はだいぶ退いて行って、
黎明前の落ちついたみずみずしい空の色。上手から源兵衛とおくみは肩をすり合うように....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
咄が出た時、書庫から『魯文珍報』や『親釜集』の合本を出して見せた。『魯文珍報』は
黎明期の雑誌文学中、較や特色があるからマダシモだが、『親釜集』が保存されてるに到....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
* * * 外の摸様はもうよほど
黎明らしくなっている。空はしらむ。目に見えない湿気が上からちぎれて落ちて来る。人....