黒印[語句情報] » 黒印

「黒印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒印の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
つズツの股が屠場の奥の方に釣された。屠手の頭はブリキの箱を持って来て、大きな丸い黒印をベタベタと牛の股に捺して歩いた。 不思議にも、屠られた牛の傷ましい姿は、....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ので勇ましく出発した。この頃従来松山藩へ幕府から与えている領地家督相続の証として黒印ある書面(即ち将軍の御判物)悉皆を朝廷へ納付せよとの御沙汰があったので、それ....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
部をおさめた「丹珠爾」続蔵四千五十八巻がそれぞれ経題と奥書がつき、十巻ずつ勅訳の黒印を捺した青い布に包んで左右の棚にいっぱいになっている。 智海が陶然と法悦に....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
存じまする」といった。 「大儀だった」 左京之介はその場では読まないで、封皮の黒印だけを切り破り、証を与えてふたりへ返した。 公の密書には返辞がないのが普通....
魚紋」より 著者:吉川英治
い。何処の者かしらと思って、今、その男の脱いで行った合羽を見たら、裏に伝馬役所と黒印が捺してあるじゃないか。ホホホホ、伝馬の牢番か何からしいんだよ』 『牢番が。....