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黒奴
「黒奴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒奴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
しい鄙歌《ひなうた》を歌わせるのがあった。これを聞いているうちに自分はアメリカの
黒奴史を通覧させられるような気がした。 砂漠《さばく》でらくだがうずくまってい....
「コンラッドの描きたる自然について」より 著者:夏目漱石
《あ》げると、ゼ・ニガー・オブ・ゼ・ナーシッサスのようなものである。これは一人の
黒奴が、ナーシッサスと云う船に乗り込んで航海の途中に病死する物語であるが、
黒奴の....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
という絶滅種ではないのか。根を二十身長も地下に張るというこのアフリカ種は、とうに
黒奴時代の初期に滅びつつあったはずである。 と、見る見る視野がひらけた。 思....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
いずれ一度は擒となって、供養にとて放された、が狭い池で、昔|売買をされたという
黒奴の男女を思出させる。島、海、沢、藪をかけた集り勢、これほどの数が込合ったら、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、彼らの間にある関係を覚え、彼らの階級を覚え、一軍を率いる帝王に似ていたり一群の
黒奴の並列に似ていたりする音階を覚えると、嬉《うれ》しくなった。各兵士は、あるい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ばんさん》の席で出会ったのは銀行家、技師、新聞記者、国際的仲介人、アルジェリアの
黒奴《こくど》売買人的な者ども――すべてフランス共和国の実務家らであった。彼らは....
「マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
思っていたらそれが鬼将軍のような男性美の持主であったのである。例により夜会服姿の
黒奴に扮した舞踊などもあったが、西洋人ばかりの観客の中に交じった我々少数の有色人....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
人かは首が欠けているし、一人残らず手か足が不具だという、病院患者の行列のような、
黒奴のキューピッドたちが、死海の果物★を盛った黒い籠を、黒い女性の神々に捧げてい....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
年ながら、一層元気に、草を刈り灌木を伐り倒して、父親の鍬先を拓いて行った。よしは
黒奴の小娘のように、すっかり土にまみれながら、父親が土の中から掘り出した木の根を....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
仏様専門であったが、今は不思議なものを彫る。たとえば、枝珊瑚樹を台にして、それに
黒奴が大勢遊んでいるようなものを拵える。枝珊瑚の根の方を岩にして、周囲を怒り波と....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
の沢田銀次郎が訪ねて来ました。この人は以前蔵前の師匠の家にいた当時、あの珊瑚樹に
黒奴のとまっている仕事をたのまれた関係で、旧知の人でありますから、久しぶり対面し....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
互いにその幸いを祈り、天理人道に従いて互いの交わりを結び、理のためにはアフリカの
黒奴《こくど》にも恐れ入り、道のためにはイギリス・アメリカの軍艦をも恐れず、国の....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
に堆く積む光景は、油地獄で、むかしキリシタンをゆでころばしたようには見えないで、
黒奴が珊瑚畑に花を培う趣がある。――ここは雪国だ、あれへ、ちらちらと雪が掛ったら....
「妾宅」より 著者:永井荷風
を以て直《ただち》に国民の風俗を壊乱するものと認めた。南|阿弗利加《アフリカ》の
黒奴《こくど》は獣《けもの》の如く口を開いて哄笑《こうしょう》する事を知っている....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
りて、船客四、五十名、おのおの奇異の装いを競い、あるいは男子が女に化し、あるいは
黒奴を模し、あるいは動物を擬し、行列を作りて甲板にあらわれ、最後に舞踏に変ず。そ....