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「黒幕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒幕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
』三浦はこう云いながら、また眼を向う河岸《がし》の空へ送りました。が、空はまるで黒幕でも垂らしたように、椎《しい》の樹《き》松浦《まつうら》の屋敷の上へ陰々と蔽....
将軍」より 著者:芥川竜之介
とんど大きな話声も立てない、カアキイ服の群《むれ》を見渡した。 三幕目の舞台は黒幕の前に、柳の木が二三本立ててあった。それはどこから伐《き》って来たか、生々《....
或る女」より 著者:有島武郎
ーブランドという人の先例もあるし、マッキンレー氏の下にはもう一人《ひとり》有力な黒幕があるはずだ。どうです斎藤《さいとう》君」 と二三人おいた斜向《はすか》い....
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
《サイエンス》である。海龍倶楽部の団員やその背後にある政府|筋《すじ》や某大国の黒幕連《くろまくれん》などは、政治手腕はあり、金や権力もあるであろうが、要するに....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら、関係者は種切れです。そこで、屯所側の鑑定では、この事件のうしろには大名屋敷の黒幕が付いていて、鮎川らを操《あやつ》って歩兵隊にケチを付ける計画だろうと云うの....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
の中においても、写真撮影と録音とは、絶対におことわりいたします。では幹部の方々。黒幕を三重にはって、この部屋を完全暗室にして下さい」 そこで幹部たちは席を立っ....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
密なる依頼で、田鶴子には気付かれないように、秘密裡に彼女を調べたのです。私は常に黒幕のうしろに居り、田鶴子には婦人探偵の錚々たるところの数名を当らせたんです。要....
地球要塞」より 著者:海野十三
戦闘するつもりで、高度の大動員を行っているではないか。 迫る大危機――敵は黒幕の主 私は、思ったとおりを、元帥に対して、申し述べたのであった。 「米連と....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
おやおや、会場は近かった。土橋寄りだ、と思うが、あの華やかな銀座の裏を返して、黒幕を落したように、バッタリ寂しい。……大きな建物ばかり、四方に聳立した中にこの....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
どい悪戯や野卑な喧嘩が近所におこると、彼らはいつも頭をふって、ブロム・ボーンズが黒幕だというのだった。 この乱暴な英雄は、ここしばらくのあいだ、あの花の匂うカ....
勘平の死」より 著者:岡本綺堂
た。 (これにて舞台は真暗になる。) (三) 舞台が再び明るくなると、正面は黒幕。 (幕の外に半七いず。) 半七 みなさん。和吉は裏の井戸へ身をなげて死にま....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
芝居というものは書けないように言い伝えられていた。世間と楽屋と、その間には大きい黒幕が降りていて、外間からは窺い知ることの出来ない秘密が深く鎖されているように説....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
不意に顔を擡げた。お葉に掴み毀された前髪の庇は頽れたままで、掻上げもせぬ乱れ髪は黒幕のように彼女の蒼い顔を鎖していた。其中から輝くのは葉末の露の如き眼の光であっ....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
列になって富士の方角から寺の前の畑の中を通って沼津の方角へ続いている。それは長い黒幕を地上に敷いたようであった。慧鶴が何だろうと思って意識を稍々恢復さすにつれ、....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
して政界の影武者であり、相当の勢力を有するのは世間で知らぬ者もないが、彼はいつも黒幕であって、絶対に表面に立たない、それが彼を救ってくれたと云ってもよかった。 ....