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黒文字
「黒文字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒文字の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
から北東へ無作法に走って居るのが、東京電燈の電柱である。一部を赤く塗って、大きな
黒文字で危険と書き、注意と書いてある。其様な危険なものなら、百姓の頭の上を引張ら....
「一隅」より 著者:宮本百合子
っている物音もせぬ小駅が白岡であった。ひっそり砂利を敷きつめた野天に立つ告知板の
黒文字 しらおか 寂しい駅前の光景が柔かく私の心を押した。 「白岡ですよ」 婆....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
くになるンですか」 「まア、ひょろ松、割り箸の中からいったいなにが飛びだす」 「
黒文字《くろもじ》が出ます」 「それから?」 「恋の辻占。……あッ、なるほど、そ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
が、出版された。 忘れもせぬ、……お前も忘れてはおるまい、……青いクロース背に
黒文字で書名を入れた百四十八頁の、一頁ごとに誤植が二つ三つあるという薄っぺらい、....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
山《はくさん》に同じ、九月の二十一日がおまつりで、諸人群集、さかんなものである。
黒文字の楊枝《ようじ》と、紙でつくった弓矢をお土産《みやげ》に出した。
こうい....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
の二階が見える。その縁に立って、じっとこっちを望んでいる人物、豆のように小さく、
黒文字のように細いが、忘れもしないさっきのお殿様、饗庭亮三郎である。 「またにら....
「古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
装飾としてはもうないという位に装飾が施されました時に、その床の間の、卓の名だたる
黒文字の卓がありますが、この卓の上に載る香炉というものは青磁の他にはなんにもない....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
婢が器物洗う音ばかりして家内静かに、ほかには人ある様子もなく、何心なくいたずらに
黒文字を舌端で嬲り躍らせなどしていし女、ぷつりとそれを噛み切ってぷいと吹き飛ばし....