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黒斑
「黒斑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒斑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
うげっこうり》にあり。寒威惨《かんいさん》として揺《ゆる》がず。かの狗子白毛にて
黒斑《こくはん》、惶々乎《こうこうこ》とし屋壁に踞跼《きょきょく》し、四肢を側立....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
《かみはや》村の俗伝に弘法大師筆を馬蓼《いぬたで》の葉で拭うた、自来この草の葉に
黒斑|失《う》せずとて筆拭草と呼ぶ、『淵鑑類函』二四一に『湘州記』いわく〈舜蒼梧....
「芽生」より 著者:島崎藤村
岩石の多い谷間《たにあい》には浅々と麦の緑を見出《みいだ》すことが出来た。浅間、
黒斑《くろふ》、その他の連山にはまだ白い雪があったが、急にそこいらは眼が覚めたよ....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
点によく似ているのであった。(後で分ったことであるが、その怪物の肢体についている
黒斑が、僕の第一印象のとおり、やはり本当の空電斑点であると分ったときには、さすが....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は野雁《やがん》の尾羽を好しとするが、その中でも黒に白斑のあるのを第一とし、白に
黒斑のあるのを第二とし、数寄者《すきしゃ》は非常に珍重するので、その価も高い。ひ....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
はいまさら胸のつかえたように打ち語るのであった。けさ分娩したのだという白牛は、白
黒斑のきれいなわが子を、頭から背から口のあたりまで、しきりにねぶりまわしているな....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、真佐子の白い顔が大きく煙る眼だけをつけてぽっかり現れたり、金魚の鰭だけが嬌艶な
黒斑を振り乱して宙に舞ったり、秀江の肉体の一部が嗜味をそそる食品のように、なまな....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
ころへ出た。農家が五六軒ずつ、ところどころに散在するほどの極く辺鄙な山村だ。君に
黒斑山のことは未だ話さなかったかと思うが、矢張浅間の山つづきだ、ホラ、小諸の城址....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
。しかしいまはそこが見えない。そうしてその一軒の大きい方の店頭には、いつも一匹の
黒斑《くろぶち》の猫が頸《くび》も動かさずに、通りの人人を細目に眺めながら腹這《....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
痛むというた、十二年前東牟婁郡勝浦港に在った時、毎度その近傍の綱切島辺の海底に黄
黒斑で二、三間も長い海蜈蚣が住むと聞いて例の法螺談《ほらばなし》と気に留めなんだ....
「浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
してしまったとしたら絵の全部の印象が消滅するように私には思われる。この基調をなす
黒斑に対応するためにいろいろの黒いものが配合されている。たとえば塗下駄や、帯や、....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
の下に店を出して、そこに鬻ぐは何等のものぞ。 河豚の皮の水鉄砲。 蘆の軸に、
黒斑の皮を小袋に巻いたのを、握って離すと、スポイト仕掛けで、衝と水が迸る。 鰒....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
際まで引摺って来ると、お兼は心得て粋な浴衣に半纏を引かけた姿でちょいと屈み、掌で
黒斑を撫でた、指環が閃いたと見ると、犬の耳が片一方、お兼の掌の上へ血だらけになっ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
甥ですから御神事に外れるということはありません。今年は、六所さまの御物の金銅弭黄
黒斑漆《きんどうやはずきくろまだらうるし》の梓弓《あずさゆみ》を持ってお伴してい....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
歩する。今日は風もなくて暖い。芝原に二匹の犬が巫山戯ている。一匹は純白で、一匹は
黒斑で、どこから啣えて来たか知らず、一足の古草履を奪合って、追いつ追われつ、起き....