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黒暗
「黒暗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒暗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、けれど少しの手掛りも得ぬ。余を刺した兇徒は何者、お浦の紛失は何の為、依然として
黒暗々だ、強いて手掛りと名を附ければ名も附こうかと思われるは堀端の土堤の芝草が一....
「蠅男」より 著者:海野十三
び出して見ると、蠅男は何処へ行ったものか影も姿もなく、戸外には唯ひっそり閑とした
黒暗暗たる闇ばかりがあった。 帆村の奇略 その翌朝のことであった。一夜を....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
氷のなかに出る※ はてなと、思いめぐらすが、見当もつかない。ただ、匂ってくるのは
黒暗々たる秘密のにおい。 「ねえ、先生、ご承知くださいましなね」 と、フローが....
「観画談」より 著者:幸田露伴
ズボンを捲り上げて、古草鞋を着けさせられた晩成|子は、何処へ行くのだか分らない真
黒暗の雨の中を、若僧に随って出た。外へ出ると驚いた。雨は横振りになっている、風も....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
雨は、ようやく本降りとなり、昼間はあれほど眺望の美を誇った塔のてっぺんも、いまや
黒暗々たる闇につつまれている。 一行はその闇のなかを、懐中電気の光をたよりに、....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
員は、部署をはなれて、空間漂流器をすばやく身体にとりつけると、艇外へ飛びだした。
黒暗澹たる死のような空間へ……。 爆発原因 帆村は、手に汗をにぎって、映....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
せぬが申されぬつらさを御察し下され、眼上と折り合ねば懲らしめられた計の事、諄々と
黒暗の耻を申てあなたの様な情知りの御方に浅墓な心入と愛想つかさるゝもおそろし、さ....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
から、もう見えてもよさそうなものだが……」 と、「火の玉」少尉は、上を指した。
黒暗澹たる闇をぬって、三つの飛行機|標識灯がうごいていく。それはだんだんこっちへ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ころには、屋敷もあり、人家もあり、火の見の半鐘もあろうというものだが、二人はただ
黒暗々《こくあんあん》の闇を歩いて行くだけです。お喋りの弁信も、どうしたものか、....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
の日――真夜中過ぎに一つの大きな黒苫の船が趙屋敷の河添いの埠頭に著いた。この船は
黒暗の中に揺られて来た。村人はぐっすり寝込んでいたので、皆知らなかった。出て行く....
「白光」より 著者:井上紅梅
んだ時にはもう白い光の影もなく、ただ薄暗い元の部屋に壊れかかった数ある卓子がみな
黒暗の中に隠れていた。彼は爽やかな気分になって突立ち、もう一度ゆるゆる瞳を定めて....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
暴風雨 雲は海をあっし海は雲をける。ぼうぼうたる南太平洋の大海原に、もう月もなければ星もない。たけりくるう嵐にもまれて
黒暗々たる波濤のなかを、さながら木の葉のごとくはしりゆく小船がある。時は三月の初....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
、そうですか!』 ルパンが眼前に閉された垂帳は豁然として開かれた。彼が今日まで
黒暗々裡に、暗中模索に捕われていた迷宮に、忽焉として一道の光明が現れたのを覚えた....
「澪標」より 著者:外村繁
の記憶は、今も朦朧と、しかし確かに残っている。 私の家の宗旨は浄土真宗である。
黒暗の闇の中に埋もれてしまった、私の幼い日日にも、読経の声は聞えていたはずである....
「馬の顔」より 著者:田中貢太郎
雨がまた音をたてて降って来た。道夫は立ちすくみながら坂の下へ眼をやった。坂の下は
黒暗暗として何も見えなかった。生垣があり※駝師の植木があって、人家は稠密と云うほ....