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「黒板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒板の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
水の三日」より 著者:芥川竜之介
や、手ぬぐいの截らないのが、雑然として取乱された中で、平塚君や国富君や清水君が、黒板へ、罹災民の数やら塩せんべいの数やらを書いてせっせと引いたり割ったりしている....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
より一定されたる熱伝導率だよ。すると長谷川君の場合はだね。……」 宮本は小さい黒板へ公式らしいものを書きはじめた。が、突然ふり返ると、さもがっかりしたように白....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
、私の教えている学生は、私の講義を真面目に聴かなくなったばかりでなく、私の教室の黒板に、私と妻とのカリカテュアを描《えが》いて、その下に「めでたしめでたし」と書....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
した。教室は皆がらんとしている。通りすがりに覗《のぞ》いて見たら、ただある教室の黒板の上に幾何《きか》の図《ず》が一つ描《か》き忘れてあった。幾何の図は彼が覗い....
或る女」より 著者:有島武郎
いた。耳には子供のアクセントが焼き付いた。目には、曲がり角《かど》の朽ちかかった黒板塀《くろいたべい》を透《とお》して、木部から稟《う》けた笑窪《えくぼ》のでき....
或る女」より 著者:有島武郎
のがかえって不思議なようだった。じめじめした小溝《こみぞ》に沿うて根ぎわの腐れた黒板塀《くろいたべい》の立ってる小さな寺の境内《けいだい》を突っ切って裏に回ると....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
ものの黒表紙。これがなければ学校へ通《かよ》われぬと言うのではない。科目は教師が黒板《ボオルド》に書いて教授するのを、筆記帳へ書取《かきと》って、事は足りたので....
ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
をあけた。すぐコートを脱いで白い実験衣に着かえながら、私は壁にかかっている小さい黒板の上の字を読んだ。それはいつも渋谷先生が翌日の仕事を、早く出てくる私に命令さ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
そこともなく横町から通りへ出て、件の漬物屋の前を通ると、向う側がとある大構の邸の黒板塀で、この間しばらく、三方から縁日の空が取囲んで押揺がすごとく、きらきらと星....
黒百合」より 著者:泉鏡花
、俗にお園小路と称える、遊廓桜木町の居まわりに在り、夜更けて門涼の団扇が招くと、黒板塀の陰から頬被のぬっと出ようという凄い寸法の処柄、宵の口はかえって寂寞してい....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
は、彼は誰よりも品行が正しく、かつて一度も借り倒したことがない。現金のない時には黒板の上に暫時書き附けてあることもあるが、一月経たぬうちにキレイに払いを済ませて....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
んで、半月|形の講壇に上って、ツと身を一方に開くと、一人、真すぐに進んで、正面の黒板へ白墨を手にして、何事をか記すのです、――勿論、武装のままでありました。 ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、その先きに大きな講堂がある。講堂には大きい馬蹄形の机があって、その後方に暖炉や黒板があり、壁には図面などが掛かるようになっている。机の前には半円形になった聴講....
キド効果」より 著者:海野十三
。 (何ごとだろう?) 丘先生――すくなくとも唯今の時間、この教室に於ては――黒板に書き連ねている数式を途中でやめて、机の上の紙片を見た。そこには次のような鉛....
三枚続」より 著者:泉鏡花
して見る、と取着が白木の新しい格子戸、引込んで奥深く門から敷石が敷いてある。右は黒板塀でこの内に井戸、湯殿などがあろうという、左は竹垣でここから押廻して庭、向う....