黒檀[語句情報] »
黒檀
「黒檀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒檀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
いす》や長椅子、壁に懸《か》かっているナポレオン一世の肖像画、彫刻《ほり》のある
黒檀《こくたん》の大きな書棚、鏡のついた大理石の煖炉《だんろ》、それからその上に....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
か》のキャビネットにあるようなものではない。第一これは顔を除いて、他はことごとく
黒檀《こくたん》を刻んだ、一尺ばかりの立像である。のみならず頸《くび》のまわりへ....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
の弁舌、爽《さわやか》なるに驚きて、はかばかしく答もなさず、茫然としてただ、その
黒檀《こくたん》の如く、つややかなる面《おもて》を目戍《みまも》り居しに、彼、た....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
には絨緞が敷かれてある。やはり昆虫の模様があり、その地色は薄緑である。 それは
黒檀に相違あるまい、しなやかに作られた卓子《テーブル》の上に、幾個もの虫箱が置い....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
お床几、お床几。」 と翁が呼ぶと、栗鼠よ、栗鼠よ、古栗鼠の小栗鼠が、樹の根の、
黒檀のごとくに光沢あって、木目は、蘭を浮彫にしたようなのを、前脚で抱えて、ひょん....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
の前から、いきなり座敷へ飛込んで、突立状に指したのは、床の間|傍の、※子に据えた
黒檀の机の上の立派な卓上電話であった。 「ああ、それかい。」 「これだあね。」 ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
「身に沁みますね、何ですか、狐が鳴いてるように聞えます。」 木地の古びたのが
黒檀に見える、卓子台にさしむかって、小村さんは襟を合せた。 件の油煙で真黒で、....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
そこにある物がかかっていた。文政時代に似つかわしくない、外国製の柱時計であった。
黒檀の枠、真鍮の振子! 振子は枠から長く垂れ、規則正しく揺れている。で、そこから....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
、この桔梗屋は、百年以上を経た旧家だといわれていたが、それはこの店の間の板敷が、
黒檀のように黒く艶を出しているのでも頷かれた。 板敷には囲炉裡が切ってあり、自....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
かめてやろうぞ」 胴の間の頭領の部屋は、諸国の珍器で飾られていた。 印度産の
黒檀の卓子。波斯織りの花|毛氈。アフガニスタンの絹窓掛け。サクソンの時計。支那の....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
ウェーが、嘲るように云いました。 「なにがです」 「知っているくせに。……もっと
黒檀紳士は、明けっ放しの人かと思っていたわ。つまり、四十|碼スクラムからスリーク....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
いました。一人の女が誘拐され、密房の中へ閉じ籠められ、眠らされたのでございます。
黒檀の寝台には狼の毛皮。でその毛皮の荒い毛が、体の肉を刺しました。菱形の窓から熟....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
狩野永徳の唐獅子の屏風、海北友松の牡丹絵の襖、定家俊成の肉筆色紙を張り交ぜにした
黒檀縁の衝立、天井は銀箔で塗られて居り、柱は珊瑚で飾られて居る。そういう華美の大....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
た偃月刀、南洋産らしい鸚鵡の剥製、どこかの国の国王が、冠っていたらしい黄金の冠、
黒檀の机、紫檀の台、奈良朝時代の雅楽衣裳、同じく太鼓、同じく笛、大飛出、小飛出、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ました。室の正面には椅子三脚とネパール製の白布の長方形の厚い敷物があり、欧州風の
黒檀の茶棚の上にはネパール製の女神の獅子に乗って居る白色の置物あり、その傍の壁の....