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黒毛
「黒毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
を計算すると二ルーブルと七十三カペイカになりましたが、その広告というのが、何でも
黒毛の尨犬《むくいぬ》に逃げられたというだけのことなんで。別に何でもないようです....
「並木」より 著者:島崎藤村
には四五人の若い給仕女が集って小猫を相手に戯れていた。時々高い笑声が起る。小猫は
黒毛の、眼を光らせた奴で、いつの間にか二人の腰掛けている方へ来て鳴いた。やがて原....
「「紋」」より 著者:黒島伝治
んは肥った無細工な手でなでてやった。まだ幼い小猫時代には、毛は雪のように純白で、
黒毛の紋は美しかった。で、「紋」という名をつけたのだった。しかし大きくなって、雛....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
案内でひととおり牛の下見をする。むろん巡査がひとりついてくる。牛疫の牛というのは
黒毛の牝牛赤|白斑の乳牛である。見ると少しく沈欝したようすはしているが、これが恐....
「地球盗難」より 著者:海野十三
した辻川博士だった。髯といえば無精にも伸び放題となり、髪は一本一本逆だち、それも
黒毛の間に、白髪がチカチカと秋のすすきのように光っている。身体には、初めは高い値....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
据具足(鎧櫃の上に据えたもの)の一列のうちで、一番手前にあるものを指差した。その
黒毛三枚鹿|角立の兜を頂いた緋縅錣の鎧に、何の奇異があるのであろうか。検事はなか....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
子に藍鼠鹿子形|捺染メリンスの腹合帯にて幅九寸内外長さ八、九尺にして、片側は全部
黒毛繻子、片側は
黒毛繻子を折返し、不足分に接ぎ合せたるメリンスを縫いつけたるもの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ない人のするままに任せていた。 「熊や。」 とその時、おまんはそばへ寄って来る
黒毛の猫の名を呼んだ。熊は本陣に飼われていて、だれからもかわいがられるが、ただ年....
「胡氏」より 著者:田中貢太郎
った。乗って逃げる隙もなかったとみえて驢はそのままにしてあった。側へ往ってみると
黒毛の耳の高い尾の長い大きな驢であった。そこで手綱を解いて曳っぱったが動かなかっ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
五図)はインドに産し、幼時灰茶色で脊より腰へ掛けて暗茶色の一条あり、長ずるに随い
黒毛を混じ石板色となる。顔と四肢は黒く鼻より尾根まで三、四フィート、尾はそれより....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
してするのだから面白い。さて、このアンポンタンがどんななりをしていたかというと、
黒毛|繻子《じゅす》がはやりだした時分なので、加賀|紋《もん》(赤や、青や、金の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
島野は顔を見らるると極悪そうに四辺をきょろきょろ。茶店の女は、目の前にほっかりと
黒毛の駒が汗ばんで立ってるのを憚って、密と洋盃を齎らした。右手をのべて滝太郎が受....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
放つごとに、やッ! やッ! と叫ぶ劉、長い腕をぶんまわしのごとく揮《ふる》って、
黒毛をなびかせ短身を躍らせているようすが、栗のいががはじき返っているよう――。
....
「天下一の馬」より 著者:豊島与志雄
ゆず》りの田畑を売り払って、その馬を買い取ったのでした。世に珍しいつやつやとした
黒毛の若駒《わかこま》で、背も高く骨組みもたくましく、ひひんといなないて太い尾《....
「絶縁体」より 著者:豊島与志雄
りきっていないが、だいぶ大きくなっていた。二匹とも三毛、といっても、白地に赤毛と
黒毛が丸い玉をなしてる立派な三毛ではなく、だいたいは白地だが、それに赤毛と
黒毛が....