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黒潮
「黒潮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒潮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
唱《とな》えたから、その跡《あと》へ並びに西風大明神《にしかぜだいみょうじん》、
黒潮権現《くろしおごんげん》も守らせ給え、謹上再拝《きんじょうさいはい》とつけて....
「或る女」より 著者:有島武郎
が横浜を抜錨《ばつびょう》してからもう三日《みっか》たった。東京湾を出抜けると、
黒潮に乗って、金華山《きんかざん》沖あたりからは航路を東北に向けて、まっしぐらに....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
。富士山は日本では三千七百七十八米突という抜群の標高を有しているが、太平洋方面は
黒潮が流れるほどの暖かさで、かつ冬季は霽《は》れて雨量が少なく、山腹以上の傾斜が....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
ムピック応援歌《おうえんか》(揚《あ》げよ日の丸、緑の風に、響《ひび》け君が代、
黒潮越えて)その|繰返し《リフレイン》で、(光りだ、栄《はえ》だ)と歌うべき処《....
「新生」より 著者:島崎藤村
は香港《ホンコン》や上海《シャンハイ》へ寄港して来た自分の帰国の航海を思い出し、
黒潮を思い出し、あの辺の海の色を思い出し、初めて台湾あたりへ踏出して行く節子のた....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
の美を説くのと同じく、当然と思っている、しかしながら偉なる哉《かな》、南方の雪!
黒潮|奔《はし》れる太平洋の海風を受けて、しかもラスキンのいわゆる、アルプスの魔....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
へ走り出しますが、御承知の通り昨晩は凪でしたので、犬崎から折れ曲って逆流している
黒潮海流の支流に押されて、この岬の附近まで漂って来ます――」 ここで東屋氏は一....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
時。 現代。 場所。 海底の琅※殿。 人物。 公子。沖の僧都。(年老いたる海坊主)美女。博士。 女房。侍女。(七人)
黒潮騎士。(多数) 森厳藍碧なる琅※殿裡。黒影あり。――沖の僧都。 僧都 お腰元....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
しいところがあった。私はどういって返事をしていいかわからなかった。 徳富氏の『
黒潮』第一巻が公にせられたのは明治三十六年だった。この小説は作そのものよりも、兄....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
ィリッピン群島にあたって北に向をかえ、わが台湾や流球のそばをとおり、日本海流一名
黒潮となる。だから、もし南洋附近の潮の道に空缶を投じたものとすれば、潮にのって押....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
を認めることが出来た。頼もしくもまた悲しくもあった。 しかしながら更に南進して
黒潮を乗切ると、もう人間の力は幽霊と妖気に降服してしまっていた。大洋と濃緑の山と....
「嵐」より 著者:寺田寅彦
井の岬、沖には鴻島が朝晩に変った色彩を見せる。三時頃からはもう漁船が帰り始める。
黒潮に洗われるこの浦の波の色は濃く紺青を染め出して、夕日にかがやく白帆と共に、強....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
め、全員、麦飯をたべることを約束した。 麦飯はまずい。しかし、国家のため、遠く
黒潮に乗りだして行くのだ。麦飯は、からだを強くする薬と思ってたべよう。 この意....
「歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
ればすなわち霧である。また湿気を帯びた温かい風が森や山腹の冷たい処に触れる場合や
黒潮と親潮が出会うて温かい空気と冷たい空気が混ずる場合などにも起る。いずれにして....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
謝絶せりというを聞きて、みな愁眉を開く。 一月二十一日(日曜)、晴れ。午前より
黒潮にかかるも、風静かに波また穏やかなり。午後細雨来たる。夕六時、房州長島の灯台....