黒烟[語句情報] » 黒烟

「黒烟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒烟の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
ぬ箇所はない。――「占めた」とシーワルドは手を拍《う》って雀躍《こおどり》する。黒烟りを吐き出して、吐き尽したる後は、太き火※《かえん》が棒となって、熱を追うて....
朱日記」より 著者:泉鏡花
の走る大道を、蹌踉と歩行いていた。 屋根から屋根へ、――樹の梢から、二階三階が黒烟りに漾う上へ、飜々と千鳥に飛交う、真赤な猿の数を、行く行く幾度も見た。 足....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
黒み備|閑かにして勢い殊之外見事也。間近になると拍子を揃え太鼓を鳴らし大筒を打立黒烟を立てて押寄す」 とある。相当なものである。また、 「馬の大きさはけしから....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
一ツは、ポッと硝子だまのようにはじけた。すると、すぐ、火花が散った。そして機体は黒烟を吐き、火焔となって、つばさは、真二ツに折れ、真直に、大地をめがけてもぐるよ....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
もなく、不図又文三の言葉|尻《じり》から燃出して以前にも立優《たちまさ》る火勢、黒烟《くろけぶり》焔々《えんえん》と顔に漲《みなぎ》るところを見てはとても鎮火し....
オンチ」より 著者:夢野久作
一 大戦後の好景気に煽られた星浦製鉄所は、昼夜兼行の黒烟を揚げていた。毎日の死傷者数名という景気で、数千人を収容する工場の到る処に、....
大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
でむちゅうで須田町の近くまで走って来たと思うと、いく手にはすでにもうもうと火事の黒烟が上っていたと言っています。 まったくそうでしょう。最初の震動は約十四秒つ....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
出した。「地理纂考」によると、「安永八年己亥十月朔日、桜島火を発し、地大に震ひ、黒烟天を覆ひ、忽ち暗夜の如し、五日経て後、烟消え天晴る、十四日一島湧出す、其翌年....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
煙を吐きはじめました。やや暫く見ているうちに、徐々としてその船が動き出しました。黒烟《こくえん》を吐いて本牧《ほんもく》の沖に消えて行く巨船の後ろ影を見送ってい....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ら一斉に吹き出した火は長いなりに大巾になって一面火の海となり、諏訪町、駒形一円を黒烟に包んで暴れ狂って来た。 で、今度は広小路の方へ追われて出て、私たちは広小....