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黒焼
「黒焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
くも言っているんだが………」
「それは斬罪があるからだけさ。脳味噌《のうみそ》の
黒焼きなどは日本でも嚥《の》んでいる。」
「まさか。」
「いや、まさかじゃない。....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
だった。帰って来て※々《そうそう》吉田は自分の母親から人間の脳味噌《のうみそ》の
黒焼きを飲んでみないかと言われて非常に嫌な気持になったことがあった。吉田は母親が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の明きめくらだ。おれが御歳暮に寒鴉《かんがらす》の五、六羽も絞めて来てやるから、
黒焼きにして持薬にのめとそう云ってやれ。もし、大和屋の旦那。おめえさんの眼玉もち....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
人の男が変電所の一千ヴォルトの電極に触れて感電死したことによるもので、二人共全身
黒焼けとなり一見いずれが誰と識別し難いが、一人は勤務中であった技手土岐健助、一人....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
きめきと元気が付いて来て、顔の色も見ちがえるように艶々しくなった。 「蛇吉が蛇の
黒焼でも食わしたのかも知れねえぞ。」と、陰では噂をする者もあった。 それはどう....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
分、肩の凝りなら、灸よりも蛭に血を吸わせた方が効きますぜ」 「いや、蛭よりも鼠の
黒焼きを耳かきに一杯と、焼明礬をまぜて、貼りつけた方が……」 そう言ったのは、....
「わが町」より 著者:織田作之助
道のあしさに乗る駒も、踏みわずらいて、野路病い……と、歌いながら、あわてて降り、
黒焼屋の前まで来ると、 「次郎ぼん、次郎ぼん」 うしろから呼び止められた。 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
入った長虫ですから、買手が来て、蛇屋が貯えたその大瓶の圧蓋を外すと、何ですとさ。
黒焼の註文の時だと、うじゃうじゃ我一に下へ潜って、瓶の口がぐっと透く。……放され....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
らんいうさかいと心配して、ある日、御寮人さんを呼寄せて、いろいろ言い聴かせた末、
黒焼でも買いイなと、二十円くれてやった。 上等の奴やなかったら効かへんと二十円....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
瞬いて、 「じゃ、途中で夜が明けたら、焦げてしまうんだね。決勝点を間近にみながら
黒焼になるなんて、情けない事には是非ならないで欲しいよ」 そうして、夜は零度を....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
二つ井戸。オットセイの黒ずんだ肉を売る店があったり、猿の頭蓋骨や、竜のおとし児の
黒焼を売る
黒焼屋があったり、ゲンノショウコやドクダミを売る薬屋があったり、薬屋の....
「秋深き」より 著者:織田作之助
ほんとうのことを言った。 「あ、そら、いかん。そら、済まんことした。竹の皮の
黒焼きを煎じて飲みなはれ。下痢にはもってこいでっせ」 男は狼狽して言った。 ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
郎で、蹴なぐって横へ刎ねた袷の裾なんざ、じりじり焦げていましたとさ。 此奴もう
黒焼けかと思うと、そうじゃないんで、そら通れますまい、構わず踏んで、飛び上った人....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
。例えば、河豚にあたれば、樟脳の粉を湯に溶解してこれをのみ、吐血をなせば、串柿を
黒焼きにし、これを粉にしてのみ、あるいは、打咽には柿のへたを紛にしてこれをのみ、....
「わが町」より 著者:織田作之助
ひっそりと暗くて怖い。十歳の足で、高津神社の裏門の石段を、ある日、あわてて降り、
黒焼屋の前まで来ると、 「次郎ぼん、次郎ぼん。」 うしろから呼びとめられた。振....