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黒玉
「黒玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
に細い眇目《すがめ》をして見るのであるが、じっと注意して観《み》ると、すでに眼の
黒玉はどっちかに片よっているのであった。二人とも二十歳をすぎて間もあるまいと思わ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
。」 「何のために、横暴にも、こんなものを作りつけたんだ。」と、けいけいとした、
黒玉のしょっちゅう動いている眼で、附近を見やりながら、「土嚢塁もあるし、鉄条網は....
「学生時代」より 著者:幸田露伴
る、間違って居ると他のものが突込む、論争をする、先生が判断する、間違って居た方は
黒玉を帳面に記されるという訳なのです。ですから、「彼奴高慢な顔をして、出来も仕無....
「メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
落ちこまない。その漏斗の内側は、眼のとどくかぎり、なめらかな、きらきら輝いている
黒玉のように黒い水の壁であって、水平線にたいして約四十五度の角度で傾斜し、揺らぎ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
るような、疼きを覚えた。……そうして尚、じっと、――じっとして居る。射干玉の闇。
黒玉の大きな石壁に、刻み込まれた白々としたからだの様に、厳かに、だが、すんなりと....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いつの頃よりか昔から、モントルイュ・スュール・メールには、イギリスの擬《まが》い
黒玉とドイツの黒ガラス玉とをまねて製造する特殊な工業があったが、原料が高くて賃金....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ガラス玉製造に成功したのでした。ベルリン玉と言われてるのと対抗しました。ドイツの
黒玉も到底かないはしません。ごくよくできた玉の千二百もはいってる大包みが、わずか....
「地震雑感」より 著者:寺田寅彦
なものである、たとえ場合によっては地震の強度を分類する事はあっても、結局は赤玉と
黒玉とを区別するようなものである。第二には地震計測の方面がある。この方面の専攻者....
「銀河まつり」より 著者:吉川英治
火を落すとたんの呼吸ひとつで、満天にひらく名花もだいなしに崩れることがある。また
黒玉といって、まったく殻をやぶらずに、そのまま、落ちてしまう例もある。
黒玉を打ち....