» 黒痣

「黒痣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒痣の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
その形相は阿修羅のように物凄かった。彼の片頬には見るも恐ろしい蟹のような形をした黒痣がアリアリと浮きでていた。これこそ噂さに名の高い兇賊痣蟹仙斎であると知られた....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
千切れて、二の腕があらわに現われている。その腕を烈しく握られたからであろう、一所黒痣が出来ている。 さながら人魚 お紅の心は乱れていた。思い乱れているのである....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
山県紋也ではなくて、紋也の足を薙いだ若者であった。左のこめかみから頬へかけて太い黒痣ができている。みるみる黒痣はふくれ上がる。竹刀で喰らわされた痕である。 「お....
無惨」より 著者:黒岩涙香
面長くて別に是と云う癖も無く一寸と見覚えの出来にくい恰好だッたと申ます、左の頬に黒痣はと聞きましたら夫は確かに覚えぬが何でも大名縞の単物の上へ羽織を着て居たと云....
風流仏」より 著者:幸田露伴
云う事|為たる覚なし。勢州四日市にて見たる美人三日|眼前にちらつきたるが其は額に黒痣ありてその位置に白毫を付なばと考えしなり。東京|天王寺にて菊の花片手に墓参り....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
れず覚えて居て下さい、鼻の高い色の白い好《い》い男子《おとこ》だ、目の下に大きな黒痣《ほくろ》が有ったよ、其の方に逢うにも、お前さんがこの迷子札を証拠に云えば知....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
《こ》ういうのを云うだろうと思われ、其の上|両児《ふたり》とも左の眼尻にぽッつり黒痣《ほくろ》が寸分違わぬ所にあります。これが泣き黒痣という奴で、この黒痣がある....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
る味噌松の両袖を、何思ったか藤吉はめりめりと※《むし》り取った。と、裸かの右腕に黒痣《くろあざ》のような前歯の跡。 「やい、松、往生しろ。」 「糞をくらえ!」 ....
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
うものだ。そんな事をした覚はねえ」 文吉が顔を覗き込んだ。「おい。亀。目の下の黒痣まで知っている己がいる。そんなしらを切るな」 男は文吉の顔を見て、草葉が霜....