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黒砂
「黒砂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒砂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
がかと思う)であるが、この二ツ塚などには、山から吹きおろす風の斑紋までが、分明に
黒砂に描き出されている。火山の中は凡《す》べてが「大きな単純」であるから、注意し....
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
んで、文字が紙の上で解体するほどの霧だ。 三 眼の前には粒の細かい
黒砂が、緩《なだ》らかな傾斜となって、霧の中へ、するすると登っている、登山客の脱....
「ネギ一束」より 著者:田山花袋
ながら、まず抱き上げて、出ぬ乳を吸わせたが、容易に泣きやもうともせぬので、今度は
黒砂糖を水に溶かして、吸い口をあてがってみた。で、どうやらこうやら泣きやんだので....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
ろへ、釣針で餌をくれ、鳥の咽喉に引掛けて釣取るという。犬を盗むものもある。それは
黒砂糖で他の家の犬を呼び出し、殺して煮て食い、皮は張付けて敷物に造るとか。 土....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
知りもしない人から色々な喰物を沢山に貰った。饅頭、煎餅、豆平糖、おはぎ、生菓子、
黒砂糖飴、白紙に包んだおすし、強飯なぞを中位の風呂敷一パイぐらい。 もっとも二....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
外れると、定規でも当てがってブチきったように、森林が脚下に落ち込んで、眼の前には
黒砂の焼山が大斜行する。虎杖や去年の実を結んだままのハマナシ(コケモモ)が、砂の....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
臭い甘い汁《しる》が舌にあふれた。竹羊羹《たけようかん》というのは青竹のひと節に
黒砂糖入り水羊羹をつめて凝固させたものである。底に当たる節の隔壁に錐《きり》で小....
「石ころ路」より 著者:田畑修一郎
火山島らしい円錐形の半ばの高さから下方は淡緑色に蔽われて、陸へ上るとすぐ、そこは
黒砂のあまり大きくない浜で、そこから三十メートルぐらいの断崖についている急な坂路....
「夏」より 著者:寺田寅彦
の可能性の極限を暗示するものであった。 吉浜へ行っても煙草がなく、菓子がない。
黒砂糖でもないかと聞いて歩いたが徒労であった。煙草と菓子の中毒にかかっている文明....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
大人といえば、中国じゃア鳴らした顔だい。阿片ぐらい知らなくって、どうするものか。
黒砂糖みたいなもんだよ」 「フン、そうかい。こいつは都合がいゝや。じゃア、ツルち....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
に行ってみると、もう餅がふくらんで、熱い息を吹き出していた。蓆のうえには、醤油と
黒砂糖を容れた皿が二つ置かれていた。しかし、彼には、もうほとんど食慾がなかった。....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
色はむろんまるで見えなかった。たいていはぼろぼろのものだったが、その中に、固くて
黒砂糖の味のするのがわずかばかりまじっていた。しかし、どれもこれもうまかった。三....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ると、消化がよくなるのだそうだ。その他、豆カス、モチ米など食わせることもあるし、
黒砂糖湯をのませたり、カイバを
黒砂糖湯でたきこむこともあるそうだ。又、焼酎を牛に....
「食指談」より 著者:佐藤垢石
らげた馬のような男は両国の芸人松井源水。最後に、小梅小倉庵の若者勇吉というのは、
黒砂糖四斤をなめた。 三 この正月のはじめ、上州館林正田醤油の多田常務から....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
のが、牛乳を煮て冷して置きますと薄く上へ張って来るクリーム、それを集めてその中に
黒砂糖を入れたものであります。それはこのチベットのチャンタンにおいては無上の菓子....