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「黒穂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒穂の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
廻った。大豆《だいず》にはくちかきむしの成虫がうざうざするほど集まった。麦類には黒穂の、馬鈴薯《ばれいしょ》にはべと病の徴候が見えた。虻《あぶ》と蚋《ぶよ》とは....
播州平野」より 著者:宮本百合子
の梅雨時分、ひろ子が来ていたとき、やはり雨がつづいた。刈りのこされた麦が、みんな黒穂にくさって、この窓から見わたすと、河床からあふれて麦畑を浸した大水が幾日も鈍....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
コ…… ▼あ――ア。治癒る当てどもない顔付きだよ。こんな調子で人間世界に。麦の黒穂か菜種の馬か。花や野菜の狂いと同様。わけもわからず理屈も立てずに。ヒョクリヒ....
骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
と藤六は、やはり店に人の来ない時分を見計らって、家の周囲の麦畑へ出て、熱心に麦の黒穂を摘んでいる事があった。これも藤六|老爺の一つの癖といえば云えたかも知れない....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
き根や家の中などすべてにオリヴィオの花をつるしておくことを教えたりした。空穂草や黒穂草や鳩豆《はとまめ》草やガヴロールや紐鶏頭《ひもけいとう》など、すべて麦を害....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
、タンポポの茎を折って折れ口を肌に押すと、小さな円い乳の輪が出来る。その上を麦の黒穂で叩いて、ちょうどお灸の跡のようになるのを、ヤイトをすえるといって遊んでいた....