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「黒糸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒糸の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
川中島合戦」より 著者:菊池寛
るにいたった。この日、典厩信繁は、黄金作りの武田|菱の前立打ったる兜をいただき、黒糸に緋を打ちまぜて縅した鎧を着、紺地の母衣に金にて経文を書いたのを負い、鹿毛の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を残した。景蔵のところへは特に世話になった礼だと言って、副将田丸稲右衛門が所伝の黒糸縅の甲冑片袖を残した。それは玉子色の羽二重に白麻の裏のとった袋に入れて、別に....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
リ性のものである事は間違いないようである。すなわちこの毒を検するに彩糸を以てす。黒糸を黄化す、青糸を赤変す。綾羅錦繍触るるもの皆色を変ず。粒化して魚目に擬し、陶....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
い、此の藤新の店先へ立寄って腰を掛け、列べてある刀を眺めて。 侍「亭主や、其処の黒糸だか紺糸だか知れんが、あの黒い色の刀柄に南蛮鉄の鍔が附いた刀は誠に善さそうな....
牛若と弁慶」より 著者:楠山正雄
ろえよう。都へ出て集めたら、千|本くらいわけなくできる。」 こう考えて、弁慶は黒糸おどしの鎧の上に墨ぞめの衣を着て、白い頭巾をかぶり、なぎなたを杖について、毎....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
ば 乙女心よ、 やがて染む緋や紫や あるは又罪の恐れの 暗に似てか黒き色の 罪の黒糸 罪の黒糸。 さまざまの色ある糸の 綾を織る人の世の象 ああ斯くて日を織り月....
三枚続」より 著者:泉鏡花
か、そこいらまで同じ向だ。」 金之助は愛吉が返した、根岸の鴨川の討入の武器なる黒糸|縅の五ツ紋を、畳んであるまま懐へ捻込んで、ボオイを呼んで勘定をすると、件の....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
れます。この種の「けら」の特長は、襟から肩、背にかけてを白い紙縒糸で編み、これに黒糸や時としては色糸で模様を入れることであります。そうしてその周囲には黒く染めた....