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「黒装束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒装束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
《くみ》にして、その中へあり金を隠す方法を講じたが、隠すほどの財産もできず、また黒装束《くろそうぞく》を着けた泥棒も、それぎり来ないので、私の生長する時分には、....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
がした。同時に小次郎の姿が消え、物の仆れる音がした、つづいて屋根の斜面を転がり、黒装束の人間が、ドッと往来へ落ちて来た。 仮面を脱いだ城主の顔が、馬場屋敷へ向....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぎ用意あって然《しか》るべし」 「心得たり」 十余人が躍《おど》り立って用意の黒装束《くろしょうぞく》。 一方には大盃《たいはい》になみなみと酒を注《つ》い....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
る夜一式小一郎は、お茶の水の辺を歩いていた。と突然七、八人の武士が、お誂え通りの黒装束で、木蔭からムラムラと現われたかと思うと、刀を抜き連れて切ってかかった。何....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
寝込んでしまったと見定めた時に、近藤勇だけは平服、土方と沖田と藤堂の三人は用意の黒装束《くろしょうぞく》。 三人は長い刀を抜きつれて、芹沢らが寝ている間へ向っ....
火星兵団」より 著者:海野十三
。とたんに「あっ」と叫んだ。 驚くのも道理、いつの間に忍び寄ったか、そこには、黒装束の火星人が立っていたのだった。 先生はぎょっとした。いつの間に、火星人が....
流線間諜」より 著者:海野十三
作った袋のようにものを被っている人間だったことが、始めて知られた。まことに怪しき黒装束の一団! すると突然、音楽の曲目が違った。 「起立!」 という号令が掛る....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
して、ほのかに明るい弓町の通りを、風のようにあっちへ抜けこっちへ現れている一つの黒装束! それに追い縋るようにまた別の黒影――それこそ旗本のうちに剣をとらせて....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
を見上げていた。それを、子供と写真帖売りが、遠巻きにしていた。 軍楽隊が来た。黒装束に、腰の革帯に短刀を一本挟んだきりの、フュウメ決死隊の一人が、軍旗といっし....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
扉を全開した。彼は一同に内部が見えるように、一足横に身をひいた。 棺桶の上に、黒装束の人が立っているのだ。火消装束の人である。立っている。棺桶の上に。直立して....
博物誌」より 著者:岸田国士
が家の黒い鳥を放し、そしてこう言い返す―― 「くそつぐみ!」 樫鳥――「のべつ黒装束で、見苦しいやつだ、くろ鶫って!」 くろ鶫――「群長閣下、わたしはこれし....
私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
り映画を見てから、プロテアに扮する女優が真っ裸にゴムのような真っ黒な肉じゅばんの黒装束で、あわやという時にはスルスルとドレスがぬげヌルヌルに光る黒肉じゅばんで難....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
セックス夫人さえ、あたかもそのころ女の子を産んだばかりで、哀願者としての痛ましい黒装束に包まれながら宮廷にお百度を踏んだにもかかわらず、何カ月も良人に会うことを....
」より 著者:神西清
? いかにもわたしは知りませんともさ――あなたがなぜそんな、仮面舞踏会よろしくの黒装束をして、四つの壁のなかに自分を埋めてしまったのか、なんてことはね! そりゃ....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
誰は誰の傀儡である、誰は誰を操る傀儡子だなどということを言っております。黒頭巾や黒装束に隠れて人形を使っているのが傀儡子、使われているのが傀儡だとのみ思っている....