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黒革
「黒革〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒革の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
へ飛んでいった。そして屍体の背中をすこし持ちあげると、その下に隠されていた小さな
黒革の日記帳をとりだした。彼はその日記帳の頁をパラパラと繰っていたが、突然|吃驚....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
、父の日記帳をとりだした。それはポケット型というのであろう、たいへん小さな冊子で
黒革の表紙もひどく端がすりきれて、その色も潮風にあたって黄いろく変色していた。そ....
「蠅男」より 著者:海野十三
ずるようなブカブカの長いオーバーを着て、襟を立ててブルブル慄えていました。そして
黒革の手袋をはめたまま、井上一夫、三十三歳と左手で書っきょりました」 帆村は呻....
「地球盗難」より 著者:海野十三
々として野獣のように輝いているという怪人物、身には汚れきった洋服を着、妙な長細い
黒革作りの鞄を肩から吊るしたところの姿にはどこやら見覚えがあった。それもその筈、....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
音が辺の樹海に冴え冴えと響き渡る。けれどもそれから二時間としないうちに、山荘へは
黒革の鞄を提げた医者らしい男が慌だしく駈けつけたり、数名の警官が爆音もけたたまし....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
シーらしいが最新型のフェートンだった。シェードを除った客席では、一人の中年紳士が
黒革の鞄を膝の上に乗せて、激しく揺れながらもとろとろとまどろみ続ける。背鏡で時ど....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
を報ずると、背広の夏服を着た青年紳士が一人の刑事に案内されて入ってきた。右の手に
黒革の折鞄、俗にいわゆる往診鞄を携えているのは、言わずと知れたお医者さんである。....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
判官に生命を捧げた、苦労のほどが偲ばれて、何となく涙ぐまるる。 で、本文通り、
黒革縅の大鎧、樹蔭に沈んだ色ながら鎧の袖は颯爽として、長刀を軽くついて、少し屈み....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
をよく見れば、金色の厳重な錠前が処々に下りている上、耳が生えているように、丈夫な
黒革製の手携ハンドルが一つならずも二つもついていた。 棺桶ではない。どうやら風....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
うさんのためなら、いただくのをはずかしいと思ってはいられません。エミイ。ハンナに
黒革のトランクをおろすようにいって下さい。メグ、あなたはおかあさんの、さがしもの....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
アメリカ人だろうと想像された。見れば、そこには一つの不思議なことがあった。小型の
黒革製の文書袋をこの男が左手に携えていたのだ、そして、それは居合せた一人の事務員....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
る二人の小男が、蛇味線を撥で弾いていた。 頭領と見える四十五六の男は、さすがに
黒革の鎧を着、鹿角を打った冑を冠り、槍を小脇にかい込んでいた。 この一党は何物....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
犯人の代りに通りの向うから、一見何処かの外交員らしい洋服の男がたった一人、手に
黒革のカバンを提げてやって来る。雄太郎君は馳けよると、すかさず訊ねた。 「いまこ....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
まった。 「準備はもうすっかりできたのかね?」と、私は床の間の本箱の側に飾られた
黒革のトランクや、革具のついた柳行李や、籐の籠などに眼を遣りながら、言った。 「....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
を送った。この手紙は、密使の到着に先だって、エセックスに届いた。彼はこれを小さな
黒革の巾着に入れて、人目にたたぬよう、首に掛けながら保存した。 最後の爆発は、....