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黒駒
「黒駒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒駒の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
可愛いところがなく、その頃、讃岐に角力がはやり、大関には天竺仁太夫つづいて鬼石、
黒駒、大浪、いかずち、白滝、青鮫など、いずれも一癖ありげな名前をつけて、里の牛飼....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を単に白とか赤とか呼ぶごとく、その頃まで天斑駒《あまのぶちごま》、甲斐《かい》の
黒駒など生処と毛色もて呼ぶに過ぎなかったろう。その後とても信州井上より後白河院へ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
、五十ばかりの肥った婆さん。馬士が一人|腕組をして突立っていた。門の柳の翠から、
黒駒の背へ雫が流れて、はや雲切がして、その柳の梢などは薄雲の底に蒼空が動いていま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。 甲州の上古は馬の名産地であります。聖徳太子の愛馬が出たというところから
黒駒《くろこま》の名がある。その他、鳳凰山《ほうおうざん》、駒ヶ岳あたりも馬の産....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
できるかもしれませんよ。小さな馬と幌馬車《ほろばしゃ》を買って、あの子がぜひとも
黒駒《くろ》にしてくれと申しますから、
黒駒《くろ》を買うことにして、一昨日、計画....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
まねいて射よという。やがて源氏の武者一騎、萌葱おどしの鎧きて、金覆輪の鞍置いたる
黒駒にまたがり、浪打ちぎわより乗入ったり。 与五郎 おお、それぞわが兄……那須与....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
る。高氏、直義のそばへも馬が曳きよせられた。高氏のは、螺鈿の鞍に朱総かざりをした
黒駒だったが、出門まぎわに荒れ狂ってひどく郎党たちの手をやかせた。そのあいだも、....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
出て行った。何しに? と見ていると、寺院の庭の巨きな海棠の木に繋いであった一頭の
黒駒のそばへ立ち寄り、自身、口輪をつかんで、広間の正面まで曳いて来た。 「良い馬....
「森の石松」より 著者:山中貞雄
松だ」 S=月明の天竜河原に どっとあがる鯨波の声は 清水一家八十余人と甲州
黒駒の勝蔵一家百五十人が入り乱れての喧嘩。 奮戦する石松。 S=代官屋敷の夜―....