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黒鹿毛
「黒鹿毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒鹿毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たが、やがてのことに試合始めの太鼓につれて、大坪流の古高新兵衛は逞《たくま》しい
黒鹿毛《くろかげ》、八条流の黒住団七は連銭葦毛《れんせんあしげ》、上田流の兵藤十....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
上手と察して、何物であろうかとふり返ったその目にくっきりと映ったのは、逞しやかな
黒鹿毛に打ち跨った年若い農夫の姿です。しかもそれが見るからすがすがしい裸馬なので....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ぼみの所まで出ると、夫人は手綱をしめて馬を控えた。 「下りてご覧になりますか。」
黒鹿毛に乗っている青年は、後から声をかけた。夫人はかむりを振った。 「貴君こそ疲....
「三国志」より 著者:吉川英治
ごとく怒っていたものとみえる。――そのすがたにぶんと風を生じたかと思うと、漆艶の
黒鹿毛と、陽にきらめく偃月の青龍刀は、 「うごくな! 片眼」 と、ひと声|吼え....
「三国志」より 著者:吉川英治
ぞ来た。燕人張飛これに待ったり。そこを去るな」 あなやと思うまに、丈八の蛇矛、
黒鹿毛の逸足、燦々たる甲※が、流星のごとく此方へ飛んできた。 「張飛だっ」 名....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ところが、近づいたのを見れば、まったく見も知らぬ人間だった。 緋総かざりの
黒鹿毛に乗り、薙刀を掻い持っている。もちろん腹巻いでたち。つまり旅行者当然な半武....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
馬を。――馬を曳け」 と、侍長屋へ呼ばわった。 そして往来へ出た正成の姿が、
黒鹿毛の狂いを乗りしずめて、鞭を小手に持ち直したときだ。 彼方からヒラヒラ見え....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
は、輿をつれているが、それには乗らず、紫衣金襴の僧正すがたをほこらかに、でんと、
黒鹿毛の背にまたがっていた。 「ははあ、文観僧正だな」 道誉は列の中から、彼方....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
騒ぐらしい動揺はなく、宗像の大宮司も、一族百余人を、加担人に提供し、また、秘蔵の
黒鹿毛の駒を、 「み軍のはなむけに」 と、尊氏へ贈った。 すでに明け方へかけ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ぎりある物だった。 「かかれッ」 彼がこの号令を発したときは、彼自身も、一頭の
黒鹿毛にまたがっていた。そして弥四郎の手から受け取った長柄を持つと、 「弥四郎つ....