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黒黒
「黒黒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒黒の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「微笑」より 著者:横光利一
いながら、室の入口へ案内した。そこには佐官以上の室の標札が懸っていた。油の磨きで
黒黒とした光沢のある革張りのソファや椅子の中で、大尉の栖方は若若しいというより、....
「厨房日記」より 著者:横光利一
上の二十畳もあろうと思える客室の床は石だ。部厚い樫で出来ている床几のような細長い
黒黒としたテーブルが一つ置いてある。正面の壁には線描の裸像の額がかかっているきり....
「バルザックの寝巻姿」より 著者:吉行エイスケ
女を抱いて、宗教的な怪奇な踊りを舞っていました。妾は、皮膚の色|褪せた波斯族、半
黒黒焼の馬来人、衰微した安南の舞姫の裡にあって、日露戦争役の小さい誇を、桜の花の....
「旅愁」より 著者:横光利一
河岸に連るマロニエの幹も太さを増した。およそ二抱えもあろうか。磨かぬ石炭のように
黒黒と堅そうな幹は盛り繁った若葉を垂れ、その葉叢の一群ごとに、やがて花になろうと....
「夜の靴」より 著者:横光利一
には、蒔絵に似た模様が巧緻な雲形の線を入れ、蝋燭豆のとろりと白い肌の傍に、隠元が
黒黒とした光沢で並んでいる。しかし、これらももう私の憂鬱な眼には、ただ時の経過を....
「或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
な恐ろしいことが起らないように……とその大きな目が謹ましい深い或る一点に、しかも
黒黒と据えられているようであった。しかもあの永久にそうあろうとも思われる微笑みは....