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「黙する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黙するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
桜桃」より 著者:太宰治
る。相手の確信の強さ、自己肯定のすさまじさに圧倒せられるのである。そうして私は沈黙する。しかし、だんだん考えてみると、相手の身勝手に気がつき、ただこっちばかりが....
運命」より 著者:幸田露伴
貞くす可からず、 玄言 豈其れ然らんや。 出ると処ると 固より定有り、 語るも黙するも 縁無きにあらず。 伯夷 量 何ぞ隘き、 宣尼 智 何ぞ円なる。 所以に....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
いようになりだした。初めは「私は愛がないのだから責める資格はない」と、自省して沈黙するようにしていたが、後には表面の交友を円滑にし、うるさい交渉を避ける自愛的な....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
を充分果さないからなのだ。で一体なぜ新聞はこの事件、この重大な社会事件に就いて沈黙するのか。この種の統制はどこから来たか。どこからの経済的統制か、それとも政府の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に空虚を感じた時のほかはないと見てもよろしい。 そこで、満足した人はたいてい沈黙する、充実したところには痕跡《こんせき》というものが無いのを例とする。 人が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、三人三様に沈黙せざるを得ませんでした。向う岸の人は、前の如く一曲に聞き惚れて沈黙する。お銀様は、関山月|云々《うんぬん》と言ったのがひっかかりで沈黙する。宇治....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た声で、白雲の出ばなを抑えたものがあったものですから、唖然《あぜん》として一時沈黙することのやむを得ない事態に至りました。その内容節調にして穏かなる二重奏でない....
秋の気魄」より 著者:豊島与志雄
けられる。そして自然も人も、秋の世界全体が、自分の赤裸な姿を見守る専念のうちに沈黙する。 この専念の沈黙、それを堪えることが出来、それを真に味感することが出来....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いる。大音楽家の強力な理性が、おのれの解き放す情熱を魅惑している。しかし音楽が沈黙するとき、獣使いがもはやいなくなるとき、呼び覚まされた情熱は、その檻《おり》を....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
者とを全然分け隔て、また自ら少しも躊躇《ちゅうちょ》することなく、惑うことなく、黙することなく、自らを欺くことなく、自らの愚昧《ぐまい》のうちに揺るがず、知力の....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
たは耳にきいたことで、私が目で見たことを否定しようとなさるのですか」 亮作は沈黙する。 「太平洋の沿岸は敵の潜水艦でとりかこまれていますよ。真鶴では、大謀網に....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
、差しあたってそれを言い破るほどの議論を持合せていないので、わたしは残念ながら沈黙するほかはなかった。外はいよいよ日盛りになって来たらしく、油蝉の声がそうぞうし....
次郎物語」より 著者:下村湖人
し、今はすべてを白紙にかえしたい。適当な機会が来るまで、僕はあのことについては沈黙する。同時に君にも沈黙してもらいたい。ただし、これは僕ら二人の間だけのことで、....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
よ、今静かに身を屈め、この美しき酔のうちに、この沈黙のうちに来れ。 凡ての人々沈黙する。 ジヤニイノ目を覚ます。いま人の語りたる言葉の最後の句を聴きながら身を起....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
、傍観者自ら代わりておさえんとするも勝手次第なり。識者もこれを実験して、その理に黙するあり。たとい黙せざるも、名称によりて答うるのみ。取るべき説なし。 生、こ....