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黙り込む
「黙り込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黙り込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
ために一皮ずつ赤裸《あかはだか》にされて行くので、しまいに彼は恥《は》じ入って、
黙り込むのだとばかり考えたらしく、なお猛烈に進んだ。あたかももう一息《ひといき》....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
では暴行の事実を認めるのだね」 「――――」 支倉は黙って答えない。 支倉が
黙り込むと、大島主任は勝誇ったように追究した。 「黙っていては、分らんじゃないか....
「刻々」より 著者:宮本百合子
母親は、不服げに、十分意味はさとらず、然しぼんやりそれが何か不利を招くと直覚して
黙り込む。だが、すぐ別のことから、同じ問題へ立ち戻る。 親たちの日常生活は勤労....
「旅愁」より 著者:横光利一
とのない胸苦しさを感じた。なるだけ快活にしていることに努めてみても、ともすると、
黙り込むことが多くなり、疲労のような気怠い重味を胸に覚えてときどき雪の中へ立った....
「運命のままに」より 著者:豊島与志雄
を作った。 私はそんな話に少しも心を煩わされることなく聞いたものだ。そして私が
黙り込むと、彼女も黙ったまま時々銚子を取り上げた。私は彼女に対して何の気兼も心置....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
位さ。そんなことは心配しないで、早く病気を癒すことだね。」 「うむ。」 二人が
黙り込むと、看護婦は、胸部の浸布を取代える時間だと云った。そして信子の手伝いで、....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
だった。まさか俺だって、其処までいったのにいい加減なことも云えないし、打挫がれて
黙り込むより外はなかった。けれど……けれど……やはりまだ瀬戸際まで押しつまったわ....
「変な男」より 著者:豊島与志雄
だけが、はっきり彼女の腑に落ちたけれど、その楽しい雑談に於ても、母と中村とが妙に
黙り込むことが多くて、何だか互に腹をでも立ててるかのようなのが、やはり彼女には合....
「裸木」より 著者:豊島与志雄
ったが、武田の調子や顔付を正面にしては、そうも云いきれないものがあった。 暫く
黙り込むと、武田の顔はまた憂鬱な仮面みたいになっていた。 「外を少し歩こうか。」....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は気にしないがいいです。君の国には饒舌家《おしゃべり》がかなり多いから、ときどき
黙り込む人に、たとい臆病さからでも、言い換えれば心ならずにでも、
黙り込む人に出会....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
、そう云って事もなく笑ったが、内心ではかなり理解に苦しむと見えて、そのままふッと
黙り込むと、困った風に考え込んでしまった。 「どうも、だし抜けにこんな変テコな殺....