黙想[語句情報] »
黙想
「黙想〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黙想の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の言葉などを考えてみると、まるで老人の繰り言のようにしか見えなかった。葉子は長い
黙想の中から活々《いきいき》と立ち上がった。そして化粧をすますために鏡のほうに近....
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
同二十六日――「午後林を訪《おとな》う。林の奥に座して四顧し、傾聴し、睇視し、
黙想す」
十一月四日――「天高く気澄む、夕暮に独り風吹く野に立てば、天外の富士近....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
静なる半日を選び之を此種の研究に消費せんと欲するならば路加伝の左の章節は甚大なる
黙想の材料を彼等に供えるであろう。 路加伝に依る山上の垂訓。六章二十節以下二十六....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
―いや、よく判りました。それにしても、……珍らしいなあ……」と喬介はそのまま暫く
黙想に陥ったが、やがて不意に顔を上げると、今度は助役に向って、「この駅の附近の線....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
て、そして恐らくは絶後であろうと思うが、本当に後悔した。三十日間の禁足をほとんど
黙想に暮した。そして従来の生活を一変することに決心した。 まず煙草をよした。そ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
た。道教徒は、不死の霊薬の重要な成分たることを主張した。仏教徒は、彼らが長時間の
黙想中に、睡魔予防剤として広くこれを服用した。 四五世紀のころには、揚子江流域....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
熊城との間に殺気立った黙闘が開始された。法水は最初真斎を一瞥すると同時に、何やら
黙想に耽るかの様子だったが、やがて収斂味のかった瞳を投げて、
「ハハア、貴方は下....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
歳の頃だった」永く忘れていた昔の夢を、思い出そうとでもするように、蔵人はしばらく
黙想したが、「家中こぞって田楽の平へ、兎を狩りに行ったことがあった。もちろん、殿....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
中はくぼんだ、おかまの神さん 唄いつつ、廻りつつ、繰り返す。 画工 (茫然として
黙想したるが、吐息して立ってこれを視む。)おい、おい、それは何の唄だ。 小児一 ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
ゃと、やや伸びた頭髪を引掻く。巻莨に点じて三分の一を吸うと、半三分の一を瞑目して
黙想して過して、はっと心着いたように、火先を斜に目の前へ、ト翳しながら、熟と灰に....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ン。」 とお通を呼べり。 再び、 「ツウチャン。」 とお通を呼べり。お通は
黙想の夢より覚めて、声する方を屹と仰ぎぬ。 「ツウチャン。」 とまた繰返せり。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
以上に、奥へ奥へ奥へと、生命の階段を昇るべく努力しつつある。従ってわれ等は、まだ
黙想の生活につきては何事をも知らない。が、恐らく向上進歩の最極限に到達した、遠い....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
なような、ほとんど端倪すべからざる、たとえば竜のごとき否、むしろ大雨に就いて竜を
黙想しつつありしがごとき、奇体なる人物は、渾名を外道と称えて、名誉の順風耳、金之....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
。 さて、ふと目覚めては、神を讃め、 ノバラの実、クロイチゴを食まば満ち足らん。
黙想の明け暮れに余世楽しく、 聖なる思い日々に新し。 かくて死すれば墓の小藪に、....
「ろくろ首」より 著者:小泉八雲
であれ、化け狸であれ、その外何の化けであれ。淋しい処は、かえって好む処、そん処は
黙想をするのによい。わしは大空のうちに眠る事に慣れておる、それから、わしのいのち....