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黙止
「黙止〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黙止の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
なきにあらずとて用ひられざりしかば、両人様々に証拠をとりて詫言申せしゆゑ、久政も
黙止しがたく、然らばとて免許ありて差置かれけるに、此間信長陣替の時|丁野若狭守と....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
影薄き築山道を庭下駄を踏みにじりつつ上り行く羽織袴の男あり。こは武男なり。母の言
黙止し難くて、今日山木の宴に臨みつれど、見も知らぬ相客と並びて、好まぬ巵挙ぐるこ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
はもと被征服者たるサビーニ人であった。しかるに初代ロムルス王の歿した後ち、市民の
黙止《もくし》難き推戴に依って遂に王位に即いたが、勇悍《ゆうかん》にして粗野なる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りならぬという請書を取ってある。しかし領民たちになってみると、死活の瀬戸際だから
黙止してはいられない。その鬱憤が積りつもると、大雨で水嵩《みずかさ》が増して行く....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
の愛を汚《けが》し、神聖なる恋を蹂躙《じゅうりん》せしをば、如何《いか》にしても
黙止《もくし》しがたく、もはや一週間内にて、死する身なれば、この胸中に思うだけを....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
とあれば、それを此方へ御預かり申さんとは存ぜしが、金銭の事ゆえ思召す所を憚かりて
黙止たりしが残念の事を仕りたり」と言うに、いよいよ面目なくますます心は愚にかえり....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
都に向ってはしきりに追討の宣旨を奏請するに至った。これに対して法皇は、関東の欝陶
黙止難しといえども、義経はすでに誅せられ、ことに今年は造大神宮の上棟、大仏寺の造....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
迷うゆえんを知らずして、雲外に明月なし林外に秀山なしというに至りては、余もとより
黙止に付すべからず。しかれども、そのこれを敵視するは余が本心にあらざるなり。 ....
「芸術は革命的精神に醗酵す」より 著者:小川未明
愛を人生に抱くなら、なぜ資本主義文明が、益々人間生活の不平等を造りつゝあるのに、
黙止するのか。科学的精神を尊重するなら、この社会をより善くすることに於てのみ個人....
「人間否定か社会肯定か」より 著者:小川未明
みだりに知らない人を信ずることができないという、それ等の事実は、この人生に於て、
黙止してすむべきことだろうか。 いま、多くの人々は、自己の周囲についてのみ、あ....
「三国志」より 著者:吉川英治
、自身が臣下の万歳をうけるなどという思い上がった態を見ては、余人は知らず、関羽は
黙止しておられません。……たとえ如何ようなお咎めをうけるとも、関羽には忍び難うて....
「三国志」より 著者:吉川英治
れているのだから、ぜひ足下にも一臂の力を貸してもらわねばならん」 「主命とあれば
黙止がたい。ご念までもなく、助太刀いたすが、して、貴君にはどんな用意があるのか」....
「三国志」より 著者:吉川英治
犠牲を払ったか知れない。然るに、その戦果たる荊州地方を何もせぬ玄徳に横奪りされて
黙止しておられるか」 「ごもっともです。それがしが玄徳に対面して、篤と、道理を説....