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黙祷
「黙祷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黙祷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あの時分」より 著者:国木田独歩
それから牧師の祈りと、熱心な説教、そしてすべてが終わって、堂の内の人々|一斉の
黙祷、この時のしばしの間のシンとした光景――私はまるで別の世界を見せられた気がし....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
わが凡て」 また長い沈黙がつづいた。フランシスはクララの頭に手を置きそえたまま
黙祷していた。 「私の心もおののく。……私はあなたに値しない。あなたは神に行く前....
「わが町」より 著者:織田作之助
った。 坊主も宣教師も居らず、線香もなく、小石を立てて墓石代りの目じるしにし、
黙祷するだけという簡単な葬式であった。ひとつには、毎日の葬式をいちいち念入りにや....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
ぼたれぬ確かなものだけ残ってくれ。私はそれをひしとつかんで墓場に行きたいのだ。(
黙祷する) 唯円 あゝ、私はおそろしくなりました。 ――幕―― 黒谷墓地 無数の....
「運命」より 著者:幸田露伴
十一月、京軍の先鋒陳暉、河を渡りて東す。燕王兵を率いて至り、河水の渡り難きを見て
黙祷して曰く、天|若し予を助けんには、河水氷結せよと。夜に至って氷|果して合す。....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
を乞うているのだと思うと、私はなんともいえない感動をおぼゆる。そして祈りは密室の
黙祷でなくてはならぬとよくいうけれども、ピープルとともに祈るのは別な深い意味があ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
やってきたのだ。これも神様の助であろう」 川上機関大尉は、ちょっと眼を閉じて、
黙祷した。そして次の瞬間には、大尉ははや日本刀を片手にさげ、飛行甲板を匐うように....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
それを戴いてつかわす。』 お爺さまは快く私の願いを入れ、ちょっとあちらを向いて
黙祷されましたが、モー次ぎの瞬間には、白木の台座の附いた、一|体の御鏡がお爺さま....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
儀の相談をしていた様子で御座いました。主人は二、三日来咽喉を痛めて居りますので、
黙祷と見えて読経の声も聴こえず、夕食にも戻りませんでした。ですから、毎夜の例で十....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ような雲を並べ、そのあたりに、色が戯れるかのごとく変化していった。彼女はしばらく
黙祷を凝らしていたが、やがて、波間に沈んだ声を投げた。 その言葉はかずかずの謎....
「春」より 著者:岡本かの子
ても、人間の婦人の毛としての性はなく、もろい小鳥の胸毛のように憐れな狂女の運命を
黙祷している。不自然に結んだ唇からは、殆ど生きた人間の呼吸は通わないもののようだ....
「支那の思出」より 著者:国枝史郎
建設の偉人孫逸仙を祀った陵である。 私は陵の中へ這入り、神祀に対して、心からの
黙祷をした。長く長く十分間もした。 それは私が孫逸仙に対して、尊敬と親愛とを持....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
うそのあとは申上げられません。 (おいよはテーブルの上に泣き伏す。モウロと正吉は
黙祷す。暫時の間。) おいよ (息をついて。)何事も半分は夢のようで、自分でもは....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
た。彼は股を突きさされた。それでも彼は黙っていた。 彼は地の上へ突倒されたまま
黙祷していた。誰も助けに来てくれる人はない。巡査も警部も来なかった。彼の危険人物....
「わが町」より 著者:織田作之助
まだった。坊主も宣教師も居らず、線香もなく、小石を立てて墓石代りの目じるしにし、
黙祷するだけという簡単な葬式しか出来なかったのは、ひとつには毎日の葬式をいちいち....