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「黙過〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黙過の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
金タッタ十銭) 著者自序 本書の著者は彼是と多忙の身であるが、現在の円本流行を黙過すべからざる害毒問題として、天下に吼号し、以て読書界の進展と出版界の転機を促....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
《ちょうちん》と釣鐘と云う次第で、我々|朋友《ほうゆう》たる者が冷々《れいれい》黙過する訳に行かん事だと思うんだが、たとい実業家の君でもこれには異存はあるまい」....
その柵は必要か」より 著者:宮本百合子
たことであろうとも、恣意と圧制、暴力と濫用が行われたときは、いついかなる場合にも黙過しないようにならされているのでなければ、真に政治的な意識ではない」(レーニン....
転機」より 著者:伊藤野枝
のために働いた人があるとすれば、今また新しくそうした最後の悲惨事を、どう上の空で黙過することが出来るのだろう? 私はM氏に、何か不満なその考えをむき出しにしてい....
社会時評」より 著者:戸坂潤
として明らかではないかと騒ぎ出した。「かかる主張の存在に対しては従来の如く輿論を黙過することなく」、上局を促して適当な処置を取らせねばならぬということになって来....
夏遠き山」より 著者:宮本百合子
易いが、この新八景投票のように地方を中心としている現象は、案外多くの弊を生じつつ黙過され勝だ。芸人の投票を昔小新聞がしたように、投票者が実在してもしないでもよい....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
みると、いま独逸航空会社が純学術的探検の名目で、この秘境を暴露しようというのが、黙過されるだろうか。ソ連には、ここが明かになれば対印新攻撃路。おそらく天与の好機....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れでは結局役人をばかにしたようなものだ。ばかにされたようなものだと知りつつ役人が黙過したのは、二本目を抜かせまいがためだ。二本目を抜かせると、何をやり出すか知れ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
玉突台のような牧場と。 部落。 共有地。 並木。 小市街。 無視する。黙過する。 抹殺する。 やがて巴里――異国者の開港場。 その巴里が、2・3....
陳情書」より 著者:西尾正
りません。虫ノ知ラセと云うのは斯う云うのでありましょうか。普通の場合ならば平気で黙過する筈であるのに、異様な好奇心に燃えて其の女の顔を確め度いと云う衝動を覚えた....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
人物であったろう。が、その磯五のために、この若松屋が滅びんとしているとあっては、黙過できぬ。そこでだ。磯五の女房という女は、まだ生きているのかな」 「はい、生き....
」より 著者:犬田卯
内のいわゆる長老有志たち――主として地主連にしてもやはり「さわらぬ神に……」式に黙過しているのは、そういう奴が伏在していたからである。たとえば俄か分限者の二三の....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と思うのか」 「まあ、そう怒るな、怒ってみたところで仕方がない」 「仕方がないで黙過することはできん。いやしくも天下の兵法所をもって任じる吉岡道場の名折れだ、断....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
まで溯らなければならず、方言の区域ありという論者もまた、この顕著なる新旧の共通を黙過するわけには行くまい。 時が方言を造るというごく普通の想像は、命名の本意が....
「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
れに均霑する能わず、永く世の落伍者として悲境に沈淪するの不条理なるは、到底世人の黙過すべからざるものなることを痛切に感ずるに至れり。 余輩一学究、もと自己の知....