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「黴毒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黴毒の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
説をしたがらないよりも演説をすることが出来ないのです。たいてい酒毒《しゅどく》か黴毒《ばいどく》かのために舌が腐《くさ》っているようですからね。」 僕「ああ、....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、幹枝の左眼に義眼手術を施せり。しかして、その手術中彼を強要して、生ける螺旋菌(黴毒菌)を眼窩後壁より頭蓋腔中に注入せしめたるなり。実に、大脳を蝕んで、初期に螺....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
出した時だろう?」満更経験のないでもない豹一がそう言うと、 「そうだ。どうやら脳黴毒らしい」赤井は簡単にそう言い放ったが、直ぐ心配そうな顔になると、最近さる所へ....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ころであった。それに、時々、その活き活きした目がかすむのを井筒屋のお貞が悪口で、黴毒性のそこひが出るのだと聴いていたのが、今さら思い出されて、僕はぞッとした。 ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
そうでなければ、『古代丁抹伝説集』などの史詩に現われている妖術精神や、その中に、黴毒性|癲癇性の人物などがさかんに例証として引かれている――そのくらいの事は、当....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
一寸法師等々々の精神異状者の脳髄のフォルマリン漬(いずれも肥大、萎縮、出血、又は黴毒に犯された個所の明瞭なもの)―― ――精神病で滅亡した家の宝物になっていた応....
冥土行進曲」より 著者:夢野久作
んです」 「フーム。大動脈瘤……」 私は動脈瘤の恐ろしさを知っていた。 俺は黴毒なんかには罹らないとか何とか云って威張っている奴の血液の中にコッソリ居残って....
太十と其犬」より 著者:長塚節
て肉の註文を受けたことが事実であるとすれば赤は到底助かれないと信じた。赤犬の肉は黴毒の患者に著しい効験があると一般に信ぜられて居るのである。太十は酷く其胸を焦し....
溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
視力が鈍っていた。十六七の時に急に悪くなったのだという。兄は盲目だそうだ。遺伝性黴毒からきた黒内障《そこひ》ではないかと私は思った。が彼女は角膜炎だと云った。そ....
腐った蜉蝣」より 著者:蘭郁二郎
ウ、おまけに垂れ滴るような原色の脣をもった、まるでペンキを塗った腸詰のようなその黴毒女を、春日が、例え噂にもしろ「ネネ」と呼んだ、ということについては、激しい不....
印象」より 著者:小酒井不木
物を見ますと、ある女が良人に復讐するために、夜毎に街へ出て春を売り、それによって黴毒に感染し、然る後良人にうつそうとしたという例が挙げてありますが、かような復讐....
暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
を覚えかけたところへ、二十五六になる一人の男が診察を受けに来ました。診察の結果、黴毒の初期だとわかりましたから、その旨を告げると、男は、 「先生、三ヶ月後に僕は....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
しやがるさかい…… ……わしは言うてやりましてん。『何とでも吐かせ、公娼制度は黴毒防止に必要で欠くべからざるもんだす』とこうやってやりますと、 太閤の返事に....
和製椿姫」より 著者:大倉燁子
先でふふんと笑って、 「ああいう種類の女が、最後に生命を奪われるとしたら、結核か黴毒かに定っているじゃありませんか。自業自得ですよ。散々男を悩ませた報いが来たん....