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鼎座
「鼎座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼎座の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
門はいい酒機嫌で突然佐藤の戸口に現われた。佐藤の妻も晩酌に酔いしれていた。与十と
鼎座《ていざ》になって三人は囲炉裡をかこんでまた飲みながら打解けた馬鹿話をした。....
「親子」より 著者:有島武郎
と帰って行った。そこはもうすっかりかたづけられていて、矢部を正座に、父と監督とが
鼎座になって彼の来るのを待っていた。彼は押し黙ったまま自分の座についたが、部屋に....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
い、かすかな不安のうちにも殺気あらたにみなぎるものあって、左膳、源十郎、軍之助の
鼎座《ていざ》を中心に、それからただちに深夜の離室に密議の刻が移っていった。
....
「脳波操縦士」より 著者:蘭郁二郎
た私には、寧ろ、それが実感であったのだ。私は、今日はそばにルミがいるので、三人|
鼎座のまま、すっかり腰を落着けてしまった。 その中に、いつとはなく気づき、訝か....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ろう。もっとも、これについては遠廻しだが、すでに君に漏らした。昨日の午後、局長と
鼎座の席で、この現場整備から君を除外したのは、君の敏腕を懼れるからだといった。こ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
蒐ると、「先ア左も右くも一度会って見るサ」といわれて川島の仲介で二葉亭と会見し、
鼎座して相語って忽ち器識の凡ならざるに嘆服し、学堂のための良提調、川島のための好....
「西航日録」より 著者:井上円了
軍少佐)および甲賀卯吉氏(造船技師)なり。毎夕、三人相会して船中の内閣を組織し、
鼎座一卓をかこみ、河合少佐は兵事を論じ、甲賀技師は工業を説き、余は教学を談じ、一....
「三国志」より 著者:吉川英治
て、長兄長兄と崇めてしまうからいい」 劉備は強いて拒まなかった。そこで三名は、
鼎座して、将来の理想をのべ、刎頸の誓いをかため、やがて壇をさがって桃下の卓を囲ん....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
る事情通もなくはない。しかし、道誉のは、わけが違う。義貞をおいて、あの場所、あの
鼎座での、言である。 いかに道誉が、日ごろ、高時のふところ深くに住み、柳営を中....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
く語った。 秀吉も酒を愛し、竹中半兵衛もすこし嗜む。加うるに、官兵衛との三人|
鼎座であったが、量においては、官兵衛が断然主人側のふたりを凌いでいる。 夏の夜....