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鼓動
「鼓動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼓動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
の光が、鍵穴《かぎあな》を洩れるそれであった。
陳はほとんど破裂しそうな心臓の
鼓動《こどう》を抑えながら、ぴったり戸へ当てた耳に、全身の注意を集めていた。が、....
「河童」より 著者:芥川竜之介
は疑問ですね。たぶん今の旋律を聞いているうちに細君といっしょに寝ている時の心臓の
鼓動でも思い出したのでしょう。」
こういう間にも大騒ぎはいよいよ盛んになるばか....
「葱」より 著者:芥川竜之介
ように、つれ立って夜の曲馬《きょくば》を見に行く事を考えると、今更のように心臓の
鼓動《こどう》が高くなって来る。お君さんにとって田中君は、宝窟《ほうくつ》の扉を....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
三 益軒の知らぬ新時代の精神は年少の書生の放論の中にも如何に溌溂《はつらつ》と
鼓動していたか!
或弁護
或新時代の評論家は「蝟集《いしゅう》する」....
「或る女」より 著者:有島武郎
。けれどもあの涙も内田が無理無体にしぼり出させるようなものだと思い直すと、心臓の
鼓動が止まるほど葉子の心はかっとなった。そして口びるを震わしながら、
「もう一言....
「或る女」より 著者:有島武郎
を踏んばって、うんと力任せに反《そ》り上がるかと思われるほどの肩の凝り、だんだん
鼓動を低めて行って、呼吸を苦しくして、今働きを止めるかとあやぶむと、一時に耳にま....
「星座」より 著者:有島武郎
かった高い香り……清逸はしばらく自分をその空想に溺《おぼ》れさせていたが、心臓の
鼓動の高まるのを感ずるやいなや、振り捨てるように空想の花からその眼を遠ざけた。
....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
だよ、どうしたってんだね」 なお渠は緘黙《かんもく》せり。その脣《くちびる》を
鼓動すべき力は、渠の両腕に奮いて、馬蹄《ばてい》たちまち高く挙《あ》ぐれば、車輪....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
そんなことを痛感したのだった。儂は、あの日のことを思い出すと、今でも心臓が怪しい
鼓動をたてはじめるのじゃよ」 そう云って川波大尉は、額の上に水珠のように浮き出....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
。総トン数は一万トンを越える大ロケットだ」 「えっ、ロケット?」僕の心臓は大きく
鼓動をうって停った。「本当かい、それは……。で、ロケットでどこへ飛ぶのか」 「分....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
、 「あっ」と叫ぶと、 「先生、この死骸は生きているのじゃないでしょうか。心臓の
鼓動らしいものを感じます」と、早口でいった。 「ばかなことをいうな。私は何度も聴....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
の先端は血のように紅く彩られていた。それがまた不思議な力で、八十助の心臓に怪しき
鼓動を与えたものである。 (これア一体、どこへ来たのだろう?) どうも日本とは....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
し本当のことを語っているのならば、わしはお前のその真実をも憎む。わしの胸には生の
鼓動を感じ、わしの腕には力を感じ、わしの誇りとする思想は鷲のごとくに空間を看破す....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
特に我慢のならぬのは、呼吸苦しいので、はあはあ耳に響いて、気の怯けるほど心臓の
鼓動が烈しくなった。 手を伸ばすか、どうにかすれば、水差に水はある筈、と思いな....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
たりを見廻した。戸口で一秒時間程|躊躇した。「あれだ。あれだ。」フレンチは心臓の
鼓動が止まるような心持になって、今こそある事件が始まるのだと燃えるようにそれを待....