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鼻であしらう
「鼻であしらう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼻であしらうの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
こそせねこれだけの心持ちに働かれていた。「そんな事で愛想が尽きてたまるものか」と
鼻であしらうような心持ちに素早《すばや》くも自分を落ち着けてしまった。驚きの表情....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
だ。そして、正勝と爺とは顔を見合わせた。 「正勝くんも来てるのか?」 敬二郎は
鼻であしらうようにしながら、正勝と向き合いに、炉端の腰掛けへ腰を下ろした。 ....
「風野又三郎」より 著者:宮沢賢治
《もっとも》らしい顔つきで腕《うで》を拱いてそう云っているだろう。博士はやっぱり
鼻であしらうといった風で 『だって木が根こぎにならんじゃないか。』と云うんだ。子....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
つまりこうしてこうした舞台上の鼻の表現を補けるためではないかと考えられます。 「
鼻であしらう」というのは頗る簡短明瞭で、相手を頭から相手にしない軽蔑し切った表現....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いかけられた当の金蔵すらも、直ぐに眼をそらして、 「植田様は、これを真直ぐに左」
鼻であしらう。 旅人は、教えられた通りにすっくと歩んで行く。これはこれ、昨夜を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ないが、たしかに人間の通った気配はあるにはある」
「ふふん」
と仏頂寺が、兵馬を
鼻であしらう。丸山勇仙はやや得意になって、
「そうだろう、たしかに人臭いところが....
「黄昏」より 著者:水野葉舟
?」と無遠慮に聞いた。 「学生です。」と私はすげなく答えた。 すると、その僧は
鼻であしらうような素振りをして、くるっと傍を向いてしまった。私は一歩退いた。そし....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
上らせたほどの罵り言葉で、入れと命令した。私が戻るや否や彼は半ば御機嫌をとり半ば
鼻であしらうような元の態度に返り、私の肩を軽く叩いて、お前はよい子だ、己はほんと....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
今日一日、あなたはあのかたくるしいイギリス人にばかりくっついていて、今度はぼくを
鼻であしらうんですね。」 「そんなつもりじゃなくってよ。あんまりおかしな顔をなさ....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
て俺の方が落付を失った。 「何をしてるんだ!」と俺は怒鳴った。 彼女はふふんと
鼻であしらうような調子で、上唇を脹らませる薄ら笑いを浮べた。俺はつっ立ったまま、....
「サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
箱を捧げている。 「おう足下がサレーダインだなあ」と若者が云った。サレーダインは
鼻であしらうようにもちろんそうだ。と答えた。若者の眼は無表情な、犬の目のような茶....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
たろうに、ずいぶんてめえも薄情けな、血の冷てえ女だの」 「ホ、ホ、ホ……」お綱は
鼻であしらうように、 「うす情けだなんていう言葉は、お十夜さん、お前の柄にはまら....